Zendesk導入で、ユーザー自身で問題解決できる環境を構築
MZ:AirレジのカスタマーサポートにZendeskを導入したのは約3年前とのことですが、その経緯をお聞かせください。
遠田:当時はAirレジ事業がスタートし、アカウントの増加に合わせて電話でのお問い合わせも増え続けているという状況でした。しかしオペレーターを増やす対応だけでは、コストもかさんでしまいます。
そこで新しいサポートチャネルとしてチャットの導入を行うのに加え、FAQを充実させ、お客様自身で問題解決ができる基盤を作りたいと考えていました。その先にはプロアクティブなカスタマーサポートを描いていましたし、そのためにCS業務とCRMや各種データベースの連携も必要だったのです。
これらを実現するのに欠かせないのがZendeskでした。APIが提供されているため、データ連携もしやすく柔軟にカスタマイズできるところが魅力的でした。
MZ:Zendeskをどのように活用されていますか。
遠田:まず、Zendesk Guideを使ったFAQページの更新に力をいれています。
Zendeskの履歴を分析し、お問い合わせの多い順にカテゴリーごとの優先度を決め、該当するページを改善・更新するのです。このFAQページはZendesk Chatを使って、一定時間ページに滞在しているユーザーへ「何かお困りですか」と自動的に話しかけ、チャットをスタートさせています。
MZ:Zendeskの機能で、欠かせないものはありますか。
遠田:トリガ機能ですね。Zendeskはお問い合わせを「チケット」と呼びますが、トリガ機能を使うと「チケットが更新されたらこのアクションをする」「最終回答後に一定期間返答がなければ満足度アンケートのメールを送る」などのルールが自動化できます。カスタマーサポートの運用が属人的にならず、システムに紐付くという点は実用的で良いと感じています。
電話中心からチャットへスライド、顧客との強い関係構築も
MZ:チャット対応を進めてきて、その利点はどのようなところにあるとお考えですか。
遠田:やはり、一度に複数のお問い合わせを対応できるという点です。もちろん多すぎると対応が中途半端になるため、オペレーターのスキルに合わせて同時対応できる人数はコントロールしています。
また電話やメールに比べ、気軽に相談できるというところもメリットです。私たちもチャットであれば、質問の意図やお客様が本当に知りたいことをリアルタイムに聞くことができ、結果としてコミュニケーションにかかる工数を減らせています。
Zendeskを導入した頃はお電話でのお問い合わせが9割でしたが、今では3割から4割がチャットからになっています。
MZ:Zendeskの導入で、業務の負荷やお客様の満足度に変化はありましたか。
遠田:お客様のアカウントが増えている中、お問い合わせ数は横ばいという良い傾向が出ており、オペレーターの増員を抑えることができています。また負荷が軽減されたことで、オペレーターチームの業務が広がり、新しくAirレジ以外のカスタマーサポートも担当するようになりました。
お客様満足度もアンケートで可視化されるため、サポート履歴を振り返り改善に生かすこともできていますね。また半年に1回行うCSアンケートでは、担当者の名前を挙げサポートを評価いただくケースや、「この人に対応してほしい」と指名をいただくこともあります。カスタマーサポートを通してお客様との関係構築ができていると感じます。