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定期誌『MarkeZine』米国最新事情レポート『BICP MAD MAN Report』

2030年、米国広告業界「次の12年」予測

 米国やグローバルにおける広告・マーケティング業界の最新情報をまとめたデジタルインテリジェンス発行の『DI. MAD MAN Report』。そのカットアップ版をお届けする本連載。今回は投資銀行のCredit Suisseの調査レポート「The Future of Advertising」をもとに、米国広告業界の先行きを占います。

※本記事は、2018年1月25日刊行の定期誌『MarkeZine』25号に掲載したものです。

米国における広告業界動向予想図

 投資銀行のCredit Suisseが、「The Future of Advertising」という調査レポートを発表した。Publicis系のメディアエージェンシーZenithOptimediaとCredit Suisseの共同調査だが、米国における広告業界「次の12年」の動向の予想図が示されている。

図表1 米国のマーケティング・ミックス動向と予測(2016年と2030年の比較)
図表1:米国のマーケティング・ミックス動向と予測(2016年と2030年の比較)
図表2 米国におけるマーケティング・ミックスの試算
図表2:米国におけるマーケティング・ミックスの試算

 図表1は全体を俯瞰して見たときの各予算の配分や比率に関する予想の図解だ。図表2は、その算出された数字の内訳である。広告を含むマーケティング全体予算として2016年の米国市場規模が45.5兆円(4,140億ドル)。これが2030年には73.7兆円(6,700億ドル)に成長する。CAGR(年平均)は3.5%の成長率が想定されている($1=110円で計算)。

 この調査分析の大きな特徴は、マーケティング予算を「Brand Building(BB)予算」と「Call to Action(CTA)予算」と、目的別に予算を分解して予測している点だ。欧米ではよく使われる区分だが、日本では「広告宣伝予算と販促予算」というパッケージで区分されることが多く、馴染みがない分類だろう。

 販促予算をCTA予算と置き換えても成り立つが、広告宣伝予算はBrand Building予算とは訳せない。日本には「ブランディング予算」というカテゴリー呼称がもう少し浸透してほしいところだ。

 この資料の予測では、2016年も2030年も、BBとCTAとの比率は変わらず「35:65」と予測している。この黄金比率は、筆者の感覚値としてもうなずける。

 さらにAbove the Line(ATL)とBelow the Line(BTL)に分けた比重も興味深い。2016年現在、「テレマーケティング」「ダイレクトメール」に代表される米国のBTL市場は、実はテレビよりも大きい。ブランディングを重要視する米国でも、CTAのテレマーケティングとダイレクトメールは依然として「主流」なのだ。だが、2030年に向けてデジタルへの移行や代替が進み、2016年時と比較すると圧倒的に小さい比率になる。BTLでは唯一、「PR」の分野が3倍以上の伸びを示していることも注目だ。SNS系の予算比率と考えればいいだろう。

本コラムはデジタルインテリジェンス発行の『DI. MAD MAN Report』の一部を再編集して掲載しています。本編ご購読希望の方は、こちらをご覧ください。

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この記事の著者

榮枝 洋文(サカエダ ヒロフミ)

株式会社ベストインクラスプロデューサーズ(BICP)/ニューヨークオフィス代表 英WPPグループ傘下にて日本の広告会社の中国・香港、そして米国法人CFO兼副社長の後、株式会社デジタルインテリジェンス取締役を経て現職。海外経営マネジメントをベースにしたコンサルテーションを行う。日本広告業協会(JAAA)会報誌コラムニスト。著書に『広告ビジネス次の10年』(翔泳社)。ニューヨーク最新動向を解説する『MAD MAN Report』を発刊。米国コロンビア大学経営大学院(MBA)修了。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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