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日本郵便「デジタル×アナログ」実証実験プロジェクト(AD)

DMはバナーではなくLP?データドリブンなアナログ施策で失敗しないための4つのポイント

ユーザーの思考や行動を理解し、シナリオに活かす

野口:オファーに関して、ユーザーが「いま住んでいるエリア」と「これから住みたいエリア」は違うだろうなという点にも気をつけました。

鈴木:それはありますね。分譲マンションや一戸建ての契約・購入を考えているわけですから、ユーザーがいま住んでいるエリアではなくて住みたいエリアを探すだろうと。

 それから住まいを探すとき、「エリア」ではなくて「沿線」で探すとか、まず我々マーケタ―自身がユーザーの立場や状況を理解し、ユーザーの思考や行動について想像力を高めて見きわめていくことも重要です。

野口:デジタルとアナログを組み合わせるという手法やメリットばかりに気をとられがちですが、さらにきめ細かくユーザーの思考や行動を予測したクリエイティブ、オファーが大切になってきますね。 

 ユーザーに近い立場にいる私たち自身が、もっと想像力ゆたかに「ユーザー像」を描いていくことの大切さにも気づかされました。

鈴木:やはり、なんらかのアクションを期待するユーザー像をもっと具体的にきめ細かく描くことで、最初に紹介した1.ターゲティング、2.タイミング、3.クリエイティブ、4.オファーの4つを踏まえたシナリオづくりもできるんですね。

 Webマーケティングで使われるLPの概念と似ていますが、ユーザーの手元に直接送付されるDMはやはりクリエイティブとオファー次第で大きな効果が期待できます。そのために欠かせないのが、効果を生むシナリオづくりなんですね。

「仮説→実験→フィードバック→仮説…」のループを回す

野口:今回の実証実験では、デジタルマーケティングだけではリーチしきれないところをDMで補えるかの検証を目的としていましたが、むしろシナリオ作りやコミュニケーション設計における課題が浮き彫りになりました。

鈴木:この段階で明らかになった課題を整理してみます。DMの送付先であるユーザーが資料請求した期間が「過去4か月間」とやや長期にわたったこと。そしてDMが手元に送付されるタイミングが適切だったか――この2つがターゲティングとタイミングに関する課題と言えます。

 さらに、KPIが「ほかの物件への問い合わせ」と「カウンター来店」の2つに分散していたこと、DMの内容がユーザーの事情や状況にマッチしていたか――この2つはクリエイティブとオファーに関する課題になりました。

 これらの課題をふまえて、今回のシナリオをどう変えていけば期待するコンバージョンへと近づけていけるか、さらに、住宅・不動産情報の提供から新しいビジネスモデルの創出をめざすためにどんな施策ができるか、まだまだヒントが得られそうですね。

野口:仮説を立てて施策を実施して得られたフィードバックを次の仮説へと結びつけ、新しい施策につなげていくのが「実験」らしいプロセスかもしれません。

鈴木:それぞれ角度を変えた施策を続けて、フィードバックを活かしていくことで、その会社に適した「デジタル×アナログ」のマーケティング手法が確立されていきます。今回の中間報告は、そのための大切な機会になったと思います。

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この記事の著者

浦野 孝嗣(ウラノ コウジ)

 2002年からフリーランス。得意分野は経済全般のほかIT、金融、企業の経営戦略、CSRなど。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/10/18 16:21 https://markezine.jp/article/detail/28065

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