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MarkeZine Day 2018 Spring(AD)

「オムニメディア」がこれからの常識 「カゴ落ちDM」ほかリクルート、ディノス・セシールのアナログ活用

 2018年3月8日から9日にかけて実施された「MarkeZine Day 2018 Spring」。日本郵便の鈴木睦夫氏が、リクルートジョブズの宮尾昇氏、ディノス・セシールの石川森生氏とともに登壇し、「デジタルとアナログの融合」による最新の実証実験事例を紹介した。

デジタルマーケターが悩み始めている

 セッションの冒頭、鈴木氏はデジタル広告やメールのみを駆使した手法では「リーチの限界」があると問題提起した。「マーケティングオートメーション(以下、MA)」の普及とともに、「デジタルに閉じたマーケティング施策」の限界に直面しているマーケターは多いと指摘した。

左から、日本郵便株式会社 郵便・物流営業部 担当部長 鈴木睦夫氏、株式会社リクルートジョブズ 営業統括部 ビジネスプロセスマネジメントグループ 宮尾 昇氏、株式会社ディノス・セシール CECO(Chief e-Commerce Officer) EC本部EC企画部 ゼネラルマネージャー 石川森生氏
左から、日本郵便株式会社 鈴木睦夫氏、株式会社リクルートジョブズ  宮尾昇氏、株式会社ディノス・セシール 石川森生氏
 

 「アドブロッカーの普及も懸念されるところですし、CPM、PPC、CPAといった指標の効率を重視するあまりリーチが限定的になってしまう問題もあります。デジタル中心の施策に邁進してきたマーケターが悩み始めている、といえるでしょう。

 メールでコミュニケーション可能な顧客は、顧客全体×メールパーミッション率×開封率で算出できます。ある会社の調査結果によると、メールでアプローチできる率は全体のわずか6%でした。

 こうした現状をうけて、2017年ごろからデジタルとアナログを組み合わせた施策の有用性に注目が集まっています」(鈴木氏)

 それを裏づける数字として示されたのが、2016年3月に日経BPコンサルティングが実施した「デジタル・アナログ領域のマーケティング施策実態調査」だ。鈴木氏はこの調査を引用しながらデジタルとアナログを組み合わせる施策の優位性を解説する。

 本調査によると、400社に「デジタルとアナログ両方を組み合わせた施策」「デジタルか、アナログどちらか一方のみの施策」に取り組んだ結果について聞いたところ、「デジタルとアナログ両方を組み合わせた施策」に取り組んだ方が、「デジタルか、アナログどちらか一方のみの施策」に取り組んだ場合よりも、デジタル施策・アナログ施策ともに効果が出ていることがわかったのだ。

MAによるオンライン施策シナリオに「限界」が出ていた

 このセッションに登壇しているリクルートジョブズやディノス・セシールをはじめとして、日本郵便は幅広い分野・業界の企業と「デジタル×アナログ」によるマーケティング施策の実証実験を進めている。

 計3回に及んだ実証実験を通して、「既存の顧客を対象とした、デジタルとアナログを組み合わせた施策の有効性が実感できた」と語るのがリクルートジョブズの宮尾昇氏だ。

 「当社にとっての顧客は、人材採用を検討されている企業様です。マーケティングオートメーション(以下、MA)のMarketoを活用してシナリオ設計し、メール配信と架電を組み合わせた施策を手がけてきました。

 MAでお客様にとって心地よいタイミングで情報をお届けするべく努力してきたのですが、メールやコールでのコミュニケーションにご興味がない可能性があるお客様や、最初からオンラインでのコミュニケーションを求めていないお客様もいらっしゃいます。そうしたお客様に対して、どのようにシナリオ設計すればよいのかが課題になっていました」(宮尾氏)

 毎週送っているメルマガで、全リード数のうちCookie情報が取得できていたのは約半数だった。つまり、約半数のお客様はメールによるコミュニケーションを求めていなかったのではないかと宮尾氏は振り返る。オンライン施策偏重に対する危機感を覚え、オンライン施策とオフライン施策を組み合わせる実証実験に取り組むこととなった。 

 「具体的には、メールによるコミュニケーションで反応のないお客様を対象に、『メールマガジンのみ』と『DMとメールマガジンの組み合わせ』によるアプローチを実施してみました。結果、Webサイトへの訪問がメールマガジンのみの時よりも、DMと組み合わせた時の方が3.6倍と、予想以上のボリュームになりました」(宮尾氏)

 第二の施策として、元々何らかのオンライン・アクションのある顧客を「アクティブ層」、アクションのない顧客を「notアクティブ層」と分けて、DMとメールマガジンを組み合わせた施策も試みたという。

 「これは実際に商談の案件となった数をカウントしましたが、アクティブ層に比べてnotアクティブ層が約1.3倍とこちらも予想以上の結果になりました。意外だったのは、DMをお送りすることでアクティブ顧客以上のCVRが達成できたことです。デジタルだけでなく、アナログ施策を組み合わせることでこれまで「アクティブでない」と認識していた潜在顧客へもリーチできました」(宮尾氏)

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この記事の著者

浦野 孝嗣(ウラノ コウジ)

 2002年からフリーランス。得意分野は経済全般のほかIT、金融、企業の経営戦略、CSRなど。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高山 透(コウヤマ トオル)

フリーカメラマン。雑誌の撮影などを主にしています。

最近では、webの撮影も多くなってきました。日々の生活は、朝タブレット端末をながめながらコーヒーを飲み、のんびり1日が始まります。 休みの日は、新宿御苑に行ったり、子供と遊んで過ごしています。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/04/27 10:00 https://markezine.jp/article/detail/28207

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