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若年層向け、コラボが勝ちパターン?2018年エイプリルフール施策のエンゲージメント数ランキング


2018年エイプリルフール施策エンゲージメント数No.1は?

 では、2018年のエイプリルフールはどのようなコンテンツが話題になっていたのでしょうか? 2018年4月1日に公開されたエイプリルフール関連プロモーション施策(TVCM・Web・グラフィックなど形式を問わない)の、ソーシャルメディア上でのエンゲージメント数を計測し、ランキングにしてみました。

「2018年エイプリルフール関連コンテンツ・エンゲージメント数ランキングTOP10」
出典:株式会社スパイスボックス自社ツール集計(調査期間:2018/4/1~2018/4/6)
(※)スパイスボックスの独自集計ツールを利用して、インターネットでの検索によって抽出した
国内エイプリルフール関連プロモーション約100施策のエンゲージメント数を集計してランキング化。

 最もエンゲージメント数を集めたのは、auが2018年1月からスタートしている新TVCMシリーズの「意識高すぎ!高杉くん」のエイプリルフール企画です。大半のエイプリルフール施策が、SNSなどで発信する“軽いノリ”であるのに対して、「意識高すぎ!高杉くん」は、交通広告やCM動画、アニメキャラクターとのコラボなどと立体的に設計されており、練られたプロモーション施策であったことが伺えます。

 企画のコアなアイデアは、TVCMシリーズで神木隆之介さんが演じる意識の高い男子高生「高杉くん」が、漫画・アニメ「銀魂」の人気キャラクター「高杉晋作」に入れ替わるというもの。

 「高杉晋作」役の声優を務める子安武人さんが「高杉くん」の声をアテレコした特別限定TVCMを、テレビ東京の音楽番組「JAPAN COUNTDOWN」内でオンエアした他、公式サイトや交通広告も「高杉くん」が銀魂の「高杉晋作」に入れ替わったバージョンになりました。これらの立体的な施策展開が話題となり、一気にエンゲージメントを獲得していきました。

エイプリルフール関連の投稿はTwitter、若年層が中心

 auがエイプリルフールに積極的なコミュニケーションを展開したのは、ターゲットとの親和性が高かったからではないかと推測されます。

 実は、エイプリルフールは、学生の間で話題が盛り上がる傾向にあります。エイプリルフールに関する投稿を確認すると、女子高生などを中心に「彼氏と結婚します!」とか「付き合いました!」などの恋愛に関する“嘘”のやりとりが非常に多いです。

 そして、目立つのがTwitterでの投稿。先に上げたランキングのグラフを見てもわかる通り、エイプリルフールに関するコンテンツのエンゲージメントのほとんどがTwitterからのアクションです。定量的に投稿者の属性を分析した訳ではありませんが、投稿内容を見る限り若年層が圧倒的に多い印象を受けます。

 auの新シリーズは、学生をターゲットに、新年度が始まるタイミングで自社サービスへの新規加入を狙った施策だと考えられます。こうした背景から想像するに、4月1日のエイプリルフールは、重要な“刈り取りシーズン”に、学生に対して話題喚起できる絶好のタイミングだったのではないでしょうか。同施策は、若者に人気の「銀魂」とのコラボレーションも含め、ターゲットとなる生活者に訴求するためのコミュニケーション戦略が非常にうまく設計されています。

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エンゲージメントのカギは“意外なコラボ”

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この記事の著者

物延 秀(モノノベシュウ)

スパイスボックス 副社長。2006年スパイスボックス入社。プロデューサーとして大手企業のデジタル・コミュニケーションをワンストップで支援し、2012年以降はソーシャルメディアを中心とした「共感」と「話題」を生むコンテンツのプランニングとプロデュース、自社ソリューション開発を統括。2016年に事業統括責任者および執行役員に就任。2017年より現職。自社サービス:インフルエンサーマーケティング支援「TELLER」、コンテンツマーケティング支援「BRAND SHARE」、ROI分析プラットフォーム「THINK」、自社メディア:「newStory」自著:『新ヒットの方程式』~ソーシャルメディア時代は、「モノ」を売るな「共感」を売れ!~(宝島社)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/04/24 16:16 https://markezine.jp/article/detail/28291

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