その時々の時流に合わせ、各コンテンツがシェアされる理由を分析してきた本連載。今回は、毎年ユニークな企業プロモーションが一斉に発表される4月1日の「エイプリルフール」施策を分析し、拡散されたコンテンツの特徴を明らかにする。
エイプリルフールの起源を探る
本連載では、映画や音楽、政治など、幅広い分野のコンテンツがどのようにシェア拡散されているのかを解説してきました(前回記事はこちら)が、今回は4月1日、つまり「エイプリルフール」に行われた施策を分析していきたいと思います。
今年は、どんなエイプリルフールネタが生活者の興味や共感を呼び、多くのエンゲージメント数(※)を獲得したのか? 主だったプロモーションのエンゲージメント数ランキングを明らかにするとともに、そのコンテンツがシェア拡散された要因やトレンド分析を行ってみたいと思います。
(※)エンゲージメント数とは
いいねやシェア、コメント、リツイートなどFacebookとTwitterでの総アクション数に加え、対象コンテンツについて取り上げた記事に対するSNS上における口コミなどの総数。スパイスボックスの独自ツールにて計測。
まずは、そのランキングに入る前に、エイプリルフールの歴史を少し遡ってみましょう。エイプリルフールの起源は定かではないようですが、一般的に広まったのは16世紀頃といわれています。1698年に「ロンドン塔でライオンを洗うイベントが開催される」という嘘のニュースが新聞などで取り上げられ話題になった記録が残っているようで、既にこの頃には公共メディアを巻き込んだお祭りになっていたことが伺えます。
良くも悪くもくだらないコンテンツが増える今
この他にも、ジョークを楽しもうとするイギリス人の国民性からなのか、2008年には公共放送のBBCが「空飛ぶペンギン」のニュースを“美しい映像”とともに発表して世界中を騒然とさせました。
今やこうした映像加工はよくある手法になりましたが、メジャーな公共放送がまるでホンモノのフェイク映像を正真正銘のニュースとして堂々と放送したこと自体に驚かされます。
また、世界中を論争の渦に巻き込んだネス湖のネッシーの場合は、仕掛けた本人が死の間際に「エイプリルフールの軽いジョークだった」と告白しました。このように、余計な混乱を巻き起こすケースもあり、褒められたものばかりではありません。
日本においては、イギリスのように大掛かりな取り組みはほとんど見られません。それでも、ソーシャルメディア上で企業が手軽にオリジナルコンテンツを発信できるようになって以降、様々な企業がプロモーションとして、エイプリルフールネタを発表するようになりました。
その後も裾野が広がり続けたことによって、現在では良くも悪くも“くだらない”コンテンツが溢れる状況になってきており、生活者が食傷気味になっているのも否めません。
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物延 秀(モノノベシュウ)
スパイスボックス 副社長。2006年スパイスボックス入社。プロデューサーとして大手企業のデジタル・コミュニケーションをワンストップで支援し、2012年以降はソーシャルメディアを中心とした「共感」と「話題」を生むコンテンツのプランニングとプロデュース、自社ソリューション開発を統括。2016年に事業統括責任者および執行役員に就任。2017年より現職。自社サービス:インフルエンサーマーケティング支援「TELLER」、コンテンツマーケティング支援「BRAND SHARE」、ROI分析プラットフォーム「THINK」、自社メディア:「newStory」自著:『新ヒットの方程式』~ソーシャルメディア時代は、「モノ」を売るな「共感」を売れ!~(宝島社)
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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