AIテクノロジー企業のAppierが2018年4月10日に開催した「Appier Press & Analyst Summit 2018」で、同社の最高売上責任者(CRO)のファブリツィオ・カルーソ氏が『2017年 アジア太平洋地域 インターネット消費者動向調査』の結果を発表した。今回の調査は、Appierがアジア市場を対象に2017年に実施したマーケティングキャンペーンから入手した5兆以上のデータポイントの分析に基づいている。アンケートによるものではく、AIを活用し、デバイスを通じたオンラインの利用を時間ごと、日ごと、週ごとで分析するとともに国別、性別、年齢別、産業別といった変数を入れて分析・検証した。
アジアで進むマルチデバイス化
アジア市場における複数デバイス所有者の数を2016年と2017年とで比較してところ、4台以上のデバイスを所有する人の数は58%増加していた。香港や台湾は複数デバイス所有者が最も多く、日本でも3台以上のデバイスを所有する人の割合が58%に達していた。
また、デバイスによって利用目的も多様になっている。カルーソ氏は「ユーザーがそれぞれのデバイスを異なる目的に利用しているというのはマーケティング担当者にとって盲点です。マーケティング担当者はデバイスの所有者を特定する必要があります。デバイスではなく、人にリーチしなければなりません」と語る。
コンバージョンプロセスの中で無視できないPC
利用シーンごとに様々なデバイスを使い分けるとなると、コンバージョンプロセスも非常に複雑になる。AIがマーケターに貢献できることの一つに複数のデバイスを経由したコンバージョンまでの最適な経路を予測することが挙げられる。アジア市場でCTRが最も高くなるのは、最初にタブレットで接触、次はスマートフォンでアクションを行い、最後に購入もスマートフォンで行うという経路だ。
スマートフォンの普及が進むことで相対的に軽視されがちなPCも、コンバージョン経路においてはいまだに大きな意味を持っているという。クロスデバイスのコンバーションの70%は次の図の5つの経路からのものであり、PCの重要性は無視できないものとなっている。