ネイティブなユーザー体験の中に異質感を演出
MZ:作品の世界観を伝えるコマ選びなどを含めて、今回のクリエイティブで注力したことは?
伊崎:ユーザー体験はネイティブに、でも内容自体は作品の持つ異質感やマンガの紙面に近いザラザラした感じがよく伝わる、そんなクリエイティブを目指しました。
具体的には、ストーリーズ広告はオーガニック投稿に並んでユーザーに接触することになるので、画像に過度な装飾をしたりして広告として目立たせるのではなく、パッと見はユーザーがスクリーンショットを撮って上げたようなシンプルな体裁にしました。一方で内容は、前述のように絵柄のインパクトではなく前後の文脈で異質感が出るように設計しました。イントロがありクライマックスに向かうような、徐々に作品の異質感に「あれっ?」と気づいて引き込む体験をつくれればと考えました。
MZ:こちらは金子さんディレクションの下、Septeni Ads Creativeで制作したとのことですが、コマの組み替えなどもしているのですか?
金子:そうですね。クリエイターが漫画を実際に読み込んで、先ほどのインパクトとのバランスを考慮しながら引きの強いシーンを切り取り、作品が持つ独特な世界観を表現できるよう組み替えながら制作しました。カルーセルは動画と違い、ユーザーが前後の画像への遷移を自分で操作できるので、漫画に文字量が多くても読みたいペースで進められます。文字量を制限しなくてよかったことも、効果につながったのではないかと思います。
リテンション目的の活用にも期待
MZ:ストーリーズ広告のダイレクト系の活用では、CTAが重要になりますが、その点での工夫は?
伊崎:ユーザーの視線動線を考えると、従来のマンガは右上から左下へコマを読んでいきます。でもストーリーズではシンプルに上から下へ誘導し、そのままCTAへつなげるほうがいいと考え、自然な視線動線を再現できるように広告クリエイティブ内のコマ配置、大きさ等を配慮しました。
MZ:Instagramを使ってセプテーニとして取り組みたいことは?
金子:セプテーニは、ソーシャルメディアにおける広告運用をいち早く取り組み始め、実績を積んできました。それによる、運用ノウハウも非常に充実していると自負しています。その中でもFacebookやInstagramにおける広告においては、現在Facebook社よりパートナー企業として認定されていることもあり、普段から密に情報交換をさせていただいているので、広告主にとって有益な情報提供をスピーディに行える体制を組んでいます。今後も、Instagram広告をはじめ、広告効果の最大化に向け、広告主と媒体社とともに様々な挑戦に取り組んでいきたいと考えています。
MZ:Instagram広告への期待をお聞かせください。
伊崎:Instagramはアクティブアカウント数の伸びに勢いがあり、常にユーザーがアクティブに接触しているメディアであることに加え、高いターゲティング精度をもとに、的確に狙ったユーザーへリーチできる点が、「GANMA!」を知ってもらう場として非常に有効であると感じています。
ただ、ユーザーが増えれば増えるほど、一口に「10代・20代女性」と言っても趣味や生活スタイルは多種多様で複雑化しており、デモグラ配信のみでは、マンガアプリと親和性が高いユーザーに配信するのは難しくなると考えています。
その為、ノンターゲティングでも効率よく、獲得ボリュームを担保できるよう、ターゲティング、アルゴリズム精度の高さに甘んじず、広告出稿側もよりコアターゲットに届くデザインや訴求方法を模索、研究していく必要があると考えています。また、そういったクリエイティブにどんどんチャレンジできればと思います。今後は新規獲得に限らず、リテンション目的でも活用したいと思っています。