部署で、会社で、第1号の産休・育休取得
押久保:「働き方改革」が注目されている昨今ですが、MarkeZineでもマーケターのキャリア形成と働き方をウォッチしています。ただ、今回のように子育てとの両立に注目するのは初めてですね。お三方はマルケトのユーザー会で知り合ったそうですが、まずはご経歴と、お子さんの年齢をうかがえますか?
志知:堀場エステックの志知です。当社は分析計測機器などを手がける堀場製作所のグループ会社で、私は営業支援のマーケティング業務を主に担当しています。元々営業志望で新卒で入社し、一人目を出産した際には営業職で初めての産休および育児休暇をとりました。そのあと希望して営業推進に移ってから二人目の子どもが生まれ、今それぞれ7歳と4歳です。
河原:ヒートマップツール「USERDIVE」とWebサイト改善コンサルティングを手掛けるUNCOVER TRUTHの河原です。私は出版取次の会社を経て、2013年に当社が創業したタイミングで入社しました。コンサルティング営業を経て、会社で最初の産休・育休をとって年子で2人出産し、ちょうど1年前に復帰してからPRとマーケティングの部署に入りました。子どもは3歳と2歳です。
服部:家事代行サービスを提供するベアーズの服部です。今は、マーケティングと広報を担当する7人ほどのチームをまとめています。前職のコンサルティング会社で一人目を出産し、7年前に当社に転職してしばらくしてから二度目の産休・育休をとりました。子どもは今8歳と4歳になります。
「営業として100%顧客に向き合えない」ジレンマ
押久保:老舗BtoB、スタートアップBtoB、そしてBtoCと様々ですが、それぞれ現在の会社で産休・育休をとって復帰されているんですね。今も皆さんまだ保育園の年齢のお子さんがいますが、基本的に会社は働きやすいですか?
一同:そうですね。
押久保:また、皆さん途中で職種は変わられているんですね。志知さんは希望して営業から営業推進に移ったそうですが、それはなぜですか?
志知:営業の仕事にはすごくやりがいがありましたし、営業職で初めて育休をとったように、会社も後押ししてくれたと思います。ただ、時短での復帰でしたし、以前のように100%顧客に向き合えないことが自分では中途半端に感じるようになって……。それで、上長にかけあって展示会企画などの後方支援に移ったんです。
押久保:状況に合わせて、職種を変えたんですね。営業を経験しているとマーケティングもしやすい面があると思いますが、どうでしたか?
志知:それは大きいですね。当初は前線ではない役割にジレンマもあったのですが、自主的にマーケティングオートメーションを調べて導入したりしたことで、主体的にコミュニケーションを設計できるようになり、その点は営業も私たちも同じだと思えるようになりました。河原さんも、営業からマーケティングに移っていますよね?
河原:はい、私も営業の経験は活きていると思っています。BtoBのスタートアップなので、ツールやサービス自体の市場認知から始めないといけないのですが、営業現場で色々なお客様の声を聞いていたことが、ターゲティングやニーズを汲み取ったリードナーチャリングの基盤になっているなぁと思います。