前回の記事に引き続き、インタビューにご協力いただいたのは、パソナでコーポレートサイトの改善を担当されたお二人です。
・株式会社パソナ 営業総本部 プロモーション企画ユニット 知久由香里さん(ユニット長 )
・株式会社パソナ 営業総本部 CE募集企画室 募集企画チーム 石井邦利さん(Webディレクター)
聞き手は私、小川。UNCOVER TRUTHから、プロジェクトを担当した執行役員の荒竹も話に加わります。
ユーザー心理に寄り添ってKPIの達成を目指す
――「会員登録完了のコンバージョン率向上」をKPIに設定したコーポレートサイト改善では、最初の施策で失敗(元のデザインに対してコンバージョン率が低下)し、そこから気づきを得て2回目と3回目の施策で改善に成功したんですよね。
知久:サイト内のユーザー行動を分析して仮説を立て、その仮説をもとに改善施策を考えたのですが、1回目は「行動の先にあるユーザー心理の細部を読み間違えていた」という理由でコンバージョン率が下がってしまったんです。そこから失敗の理由を掘り下げ、逆張りするような施策を打つという進め方で2回目と3回目の改善を実行し、最終的には累積で179%の改善に成功しました。
――PDCAサイクルの中でも「Check=実行した施策の検証」を起点とすることの重要性は私も講演で度々お伝えしています。失敗にも意味があるということですね。この失敗からは、ユーザー心理の細部を考えることの大切さがわかったんじゃないでしょうか。
知久:はい。数値だけにとらわれるのではなく、ユーザー心理に寄り添ってKPIの達成を目指すことの重要性に気づきました。
KGIに立ち返って相関性のあるKPIを考える
――とはいえ、ユーザー心理に寄り添うのも簡単なことではありません。ユーザー心理に寄り添ってKPI達成を目指すとは、具体的にどんなことなのでしょうか。
石井:プロジェクト開始時は「Web登録」をKPIに設定していました。それに対してチームにとってのKGI(最終的なゴール)は、お仕事を探している方との面談機会(来社予約)を増やすことです。言ってみれば、Web登録(KPI)“だけ”が増えても、来社予約(KGI)には近づきません。「Web登録率は上がったけど、その後どうなの?」という話になりますよね。
知久:ただ、我々としてはサイト内で判断できることを基準にするというスタンスも大切にしています。だからこそKGIに立ち返って相関性のあるKPIを考え、そのうえで施策を考えるというのが非常に重要だと思うんです。