動画はバズった、でもそれだけでいいのか?
MZ:動画の話が出たところで、富士フイルムでの動画の使い方を教えてもらえますか。
一色:今の若い方々が写真年賀状を送ろうと思うきっかけの多くは、結婚報告と出産報告。オーガニックでの獲得を増やしたいのですが、「写真と言えば富士フイルム」と想起する人たちが減っています。たとえば、「チェキ」のことは知っていても、富士フイルムのブランドだとは知らない人もいます。
一昨年、いざ写真年賀状を送ろうとなった時、富士フイルムのことを思い出してもらえるように若い世代に人気の「東京ゲゲゲイ」を起用し、バズを狙う動画を作りました。ただ、その狙いは当たったものの、コンバージョンにつながったかどうかを検証する方法がありませんでした。
去年の秋、運用しながら動画配信ができるVeleTを知り、写真年賀状の動画でやってみようとなりました。リターゲティングで追いかけ、1ヵ月あればどこかで思い出してもらうことができると思ったのです。タグの埋め方や広告の出し方も細かく指定し、丁寧に運用していて、予算は以前の10倍に増やしましたが、CPAを3分の1に圧縮できました。今後は制作からワンストップでお願いしたいと考えています。
定量×定性の効果をワンストップで分析できるサービス
MZ:アルファアーキテクトでは、動画広告の効果検証まで行うのですか。
伊藤:当社が提供する動画広告サービス『Velet』の特徴は、動画広告に取り組む際に必要な「制作」「配信」「分析」「最適化」をワンストップで実行でき、動画の活用目的や指標に適した運用を行える点です。
可視化は当然で、パフォーマンスを上げる運用を重視しています。動画はあまり運用するものではないという考えが定着しているようですが、パフォーマンスに即して最適化する運用ができると当社は考えています。
福田:配信中は毎日、アルファアーキテクトさんと細かいやり取りを重ねました。リアルタイムでメッセやり取りしてましたね(笑)。
一色:これまでの動画広告は、メディアと配信の優位性しかなかったと思います。完全視聴を目的とするオーバーレイのようなフォーマットは嫌われていますし、広告主としては、不正対策をきちんとやっているかなど、ブランドが毀損しないことを重視しなくてはなりません。
MZ:デジタルの施策なのにテレビの時の発想のまま、リプレース先として動画広告をやっている印象は確かにあります。
一色:どこまで視聴したかがわかることと、ターゲットを分散して安全に配信できることが前提条件です。ただ、テレビCMでも、最近はGPRや好感度もデータを使って効果測定ができるようになりましたが、あまり出したくないというのが本音かもしれません。本来は予算と成果のバランスを考え、最適化をやっていかないといけないと思います。
福田:動画のCPAを追求しない理由はもう一つあると思います。ほとんどの動画サービスが配信までで、その後の効果測定は別の調査会社に依頼するしかありません。そうなるとどうしても担当が決裁を取りやすい費用感にならないのです。動画の配信だけでなく効果検証の調査もできるのがVeleTでした。