女性の購買に求められる「好感認知」とは
先ほどの調査データを総合的に見てみると、化粧品やヘアケアといった商材のみならず、食品や飲料・お酒などあらゆるカテゴリにおいて女性は男性よりも「認知率」が高い傾向にあります。
その一方で「認知」から「商品理解(商品特徴を理解していると答えた人)」への転換率は男性より女性が低く、「認知」から「好感」への転換率は総じて女性のほうが高いという傾向にあります。いわゆる「男性はスペックでモノを買い、女性は感情でモノを買う」という男女差はこのようにデータにも現れているのです。
つまり、前述の「バーティカルファネル」を意識して「認知」から「購入」への転換率が高い女性マーケティング施策を実施する際には、商品特徴よりも「好感度を優先した認知=好感認知」を獲得していくことが効率的であるといえます。
リアルタイム感のある出会いが好感を生む
それではデジタルを活用して女性から「アテンションによる強制的な認知=強制認知」ではなく「好感認知」を獲得するためにはどのような工夫が必要なのでしょうか。
最大のポイントはトレンドに乗った文脈を意識することで「“今まさに”周りで流行っている」「“今まさに”私が欲しかった」という運命的かつリアルタイム感のある出会いを演出することにあります。
それに際してはただ1つのトレンドを捉えるのではなく、複数のトレンドから共通項を導きだす帰納的推論が有効です。また、誰もが知っているような「マストレンド」ではなく、ターゲット層の中でのトレンド、「マイクロトレンド」を捉えることも重要です。
認知の獲得を目的としたマーケティング施策では、その獲得ボリュームと認知率向上に意識が向かいがちですが、特にデジタル施策においては購買への転換率が高い「バーティカルファネル」を目指すことでマーケティング効率を上げることも必要となります。
そのためには認知獲得の時点からターゲットを細かく選定し、ターゲット内の「マイクロトレンド」を把握した上で文脈を設計する「マイクロマーケティング」の視点が欠かせないといえます。
