※本記事は、2018年6月25日刊行の定期誌『MarkeZine』30号に掲載したものです。
5G時代の到来
2017年12月21日に「5G(第五世代移動通信システム)」の無線方式「5G NR(New Radio)」の標準仕様が策定され、2020年の東京五輪に向けて、通信事業者をはじめ各社において5Gへ対応する動きが着々と進んでいる。NTTドコモでは、「ドコモ5G オープンパートナープログラム」を発表し、パートナーとなる企業・団体に対し、5Gの技術や仕様に関する情報の提供やパートナー間の意見交換を行う5Gパートナーワークショップの場を提供している。また、海外においても、スペイン・バルセロナで2月26日から3月1日にかけて開催された「Mobile World Congress 2018」で、「5G NR」に対応する様々なプロダクトやソリューションの展示がなされ、大きな注目を集めた。
5Gの主な特徴として、「高速化・大容量化」、「多数の端末との同時接続」、「低遅延化」の3つが挙げられる(図表1)。
高速化・大容量化
4K・8Kのような高画質映像やVR・ARのようなリッチなコンテンツを高速に配信できるようになり、スポーツやライブの自由視点映像等によるユーザー体験の向上が考えられる。8Kの360度の動画を視聴するためには、200Mbps以上が必要と言われており、現在の移動通信では快適な視聴や体験が難しい状況となっていた。
多数の端末との同時接続
IoTが本格的に普及し、屋内(スマートホームや店舗内の商品・棚等)や屋外(自動運転車やスマートシティ等)の多数のデバイスの同時接続が可能となることで、これらのデータの取得・活用が考えられる。これまで取得できなかったデータを元に、ライフスタイルに合った生活支援サービスを提供できるようになると期待される。
低遅延化
通信の低遅延化・リアルタイム化は、自動運転や遠隔医療のように微細な動きが求められる領域において強く期待されている。また遠隔地にいる人との共同での創作活動、AIやロボットとの協働作業等のコラボレーション方法にも影響を与えることで、企業活動の効率化にもつながっていく。