5Gで生活環境はどう変化するのか
新たなサービスの展開として図表2のような領域が期待されている。ここでは主に生活やメディアに関わる領域について海外の事例等も交えて紹介していく。

スポーツ
韓国のSKテレコムは、SKグループのスタジアムで開催される韓国野球リーグの開幕試合にて5G技術を活用したAR/VRのライブ配信等のサービスを発表している。観客はスマートフォンやディスプレイボードを介して様々な角度から映像を視聴することができたり、専用アプリを通じて選手の情報をARで楽しんだりすることができる。またVRによるコンサートやスポーツの観戦、映画の視聴も可能になるとしている。
エンターテインメント・放送
中国では、通信事業者China Unicomと基地局メーカーBaicellsが連携し、5Gとドローンによる360度動画ライブ配信に取り組んでいる。コンサート・スポーツコンテンツの撮影・配信の他にも、災害・事故の発見、無人飛行機偵察等の活用を想定した内容となっている。5Gによって360度動画のような大容量のコンテンツのライブ配信も可能となり、ユーザーは自分の興味に応じてリアルタイムで見たいシーンを操作することで、より没入型の体験をすることができる。
米国のAT&Tは、インターネットテレビサービス「DirecTV Now」において、5Gを用いてテレビ番組のライブストリーミング配信のトライアルをオースティンで開始している。このトライアルではEricsson、Intelと共同で住宅や企業向けに5Gによる超高速インターネット接続を提供しており、トライアルの参加者は、高品質なライブ番組を視聴することができるものとなっている。
スマートシティ
米国のVerizonは、ボストンにおけるスマートシティプロジェクトにて、マサチューセッツ工科大学付近の道路にセンサー(40個以上)、カメラ、コネクテッドライトを設置している。このプロジェクトでは、各種センサーで収集した膨大なデータを用いて、道路、歩道、標識の設計の改善や交通法の見直し、公共教育の改善等への活用が期待されている。
スマートホーム
スマートスピーカーや一部家電をはじめとして家庭内においてインターネットに接続可能なデバイスも増えている。5Gが普及すると、より多くの機器が接続可能となってくる。外出先から冷蔵庫の中身を確認して必要なものを注文したり、冷暖房を操作して帰宅時間に合わせて温度調節したりするようなことも可能だろう。
交通
自動車会社が進めているコネクテッドカーや自動運転車においても、5Gは重要な技術のひとつである。高速かつ低遅延の通信によって、搭載しているセンサーからの情報をリアルタイムで取得し、必要な判断を瞬時に行うことが可能となる。