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マーケターは「コミュニティ」とどう向き合うべきか


 近年、多くの企業が「コミュニティ」を起点に消費者とつながることの重要性に気付き始めている。本稿では、コミュニティマーケティングのコンサルタントである松澤氏と、フェイスブック ジャパンの長谷川晋氏、長谷川倫也氏が対談した内容をお届けする。Facebook上で活発化するコミュニティの動きを踏まえると、企業はコミュニティとどう向き合っていくべきなのだろうか。

コミュニティ×テクノロジーで社会課題を改善したい

松澤:Facebook CEO マーク・ザッカーバーグ氏は、昨年「コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する」を今後10年間におけるFacebookの新しいミッションとして発表し、コミュニティを重視していくことを明示されました。あれから1年が経過しましたが、Facebookではどのような変化がありましたか?

Facebook Japan Maneging Director 長谷川晋氏
フェイスブック ジャパン 代表取締役 長谷川晋氏

長谷川晋:グローバルで、すでに新しい動きが始まっています。Facebookがコミュニティの活動を支援するためには、まず、コミュニティやグループのリーダー、管理者をエンパワーすることが大事です。そのためのプログラムや取り組みが一気に活発化しましたね。

 ですがそもそも、今回のミッションの変更は、Facebookとして180度方向転換をしたものではありません。人と人をつなぎ、よりオープンな世界を作っていくという当初のミッションから、さらに一歩踏み出したのだと私たちは解釈しています。

松澤:なるほど。では、フェイスブック ジャパンとしてはいかがでしょうか?

長谷川晋:フェイスブック ジャパンは、今年10周年を迎えます。私は、新しいミッションの下で、フェイスブック ジャパンは何に注力していくべきなのか、今年の初めに考え直しました。

 その際、コミュニティ×テクノロジーよって、日本が独自に抱えている色々な課題や問題を改善できるのではないかと気づいたんです課題や問題が抱えるネガティブな部分を、成長というプラスの機会に変えていけるのではないか、と考えています

 たとえば、超高齢者社会に関してもネガティブに考えられることが多いですが、これは逆に元気なシニアの方が増えているという捉え方もできます。アクティブなシニアの方をつないで、社会の活力にする。これを、Facebookではコミュニティ×テクノロジーで実現したいと思っています。

マーケターがコミュニティを理解しておくべき理由

コミュニティマーケティング コンサルタント 松澤亜美氏
コミュニティマーケティング コンサルタント 松澤亜美氏

松澤:私は、NPO法人LunchTripという団体の代表を務めておりまして、Facebookのコミュニティ機能を日頃から利用しています。ですので、ミッションの変更や機能のアップデートなどは日々キャッチアップしています。一方で、マーケターの中には、今までFacebookページの運営こそしてきたけれど、グループの細かい機能のアップデートには気づいていない方も多いのでは、と思います。

 今後、ビジネスで、Facebookのグループはどのように使われるようになると思われますか?

長谷川晋:私は、事業会社でマーケティングを経験しましたが、そもそもマーケティングは人の心や行動をポジティブに動かすために行うものだと考えていますマーケターは、人々の考えや行動に寄り添うことが必要です

 そして、今後は恐らく「コミュニティ」をキーワードにして、世の中の色々なモノや行動が変わっていくでしょう。難病に苦しむ人を助けることをコミュニティの軸にしてグローバルで展開すれば、たくさんの人が救われます。人権問題などもそうですね、コミュニティを通じて活発な議論が生まれて、前に進みます。

 コミュニティにより人々の行動が変わるのであれば、マーケターはその変化を理解しなければなりません。マーケティングが人を相手にするものである限り、人の態度変容や考え方の移り変わり、進化について考えることはとても重要なのではないでしょうか。

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この記事の著者

松崎 美紗子(編集部)(マツザキ ミサコ)

1995年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、新卒で翔泳社に入社。新入社員として、日々奮闘中です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/07/20 11:13 https://markezine.jp/article/detail/28782

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