SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第100号(2024年4月号)
特集「24社に聞く、経営構想におけるマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

海外サポートに使い慣れたLINEを!INTACの活用事例に見るLINE to CALLの可能性


 東京海上インターナショナルアシスタンスは、海外に滞在している海外旅行保険の加入者から、病気・怪我、身の回り品の破損や盗難、思いがけぬ賠償責任事故などに関する相談を受け付け、それに対する様々なアシスタンスサービスを提供している。既存の国際フリーダイヤルの回線に加え、2018年4月よりLINE カスタマーコネクトの「LINE to CALL」を導入し、インターネット回線を介したサポートを可能にした。同社代表取締役社長の太田征宏氏をはじめ、担当者の方々に導入の背景と成果について尋ねた。

 LINE to CALLとは、LINEが提供する法人向けカスタマーサービスであるLINE カスタマーコネクトの機能のひとつで、IP電話で企業のコールセンターへ無料で通話ができるというものだ。ユーザーは海外からでもWebサイト上に設置されたボタンやリンクから電話をかけることができる。

 東京海上インターナショナルアシスタンス(以下、INTAC)代表取締役社長の太田征宏氏は、「弊社のお客様は大きく分けると3つ。海外旅行者、留学生、そして企業の駐在員や出張者。中でも留学生の数が年々増えており、LINEを使ってコンタクトセンターへ連絡することはできないのかと、LINEを指名したお問い合わせをいただくこともありました」と語る。こうした問い合わせからもそのニーズを把握していたが、実際にLINE to CALLの導入に至った背景にはどのような課題があったのか。

東京海上インターナショナルアシスタンス株式会社 代表取締役社長 太田 征宏
東京海上インターナショナルアシスタンス株式会社 代表取締役社長 太田 征宏

国際フリーダイヤルに加え、新たな通信手段を

 INTACでは保険加入者に向けて、365日24時間対応可能なコンタクトセンターを設置している。LINE to CALLの導入以前は、国際フリーダイヤルを利用した国際電話から問い合わせを受けていたが、海外現地の通信環境の都合などから「音声が途切れる」「回線がつながりにくい」といった指摘が度々あった。

 加えて導入の強い後押しとなったのが、留学生を中心にした若年層からの強い要望だ。業務企画部 兼 医療サービス部 部長の鈴木康敬氏は次のように語る。

 「導入に踏み切った大きな要因は、留学で海外に滞在する学生のお客様からのご要望です。お問い合わせ件数の割合としても留学生のお客様は大きく、LINEから連絡をしたいというご要望も年々増加していました。学生のお客様は現地キャリアと音声通信サービスを契約しないことが多く、日本から持って行ったスマホを利用されることが多いようです。インターネットさえつながれば、SNSを使って現地の友人や日本のご家族と連絡が取れるからです。国際電話料金や国際ローミング代もかかりません。

 たとえば海外でトラブルにあった留学生がコンタクトセンターへ連絡しようと思ったとき、直接は電話せず、まずご自身の親御さんへ『体調を崩した』『盗難にあった』とLINEします。そして日本にいる親御さんから国内電話で弊社コンタクトセンターへ問い合わせがくるという、三角形の構図になっていたのです。これだと正確な留学生ご自身の情報が伝わってこない、タイムラグが発生するという弊害が出てきます。

 このようなニーズを踏まえ、新たな通信手段を早急に導入する必要があるという共通認識が社内にありました」

東京海上インターナショナルアシスタンス株式会社 業務企画部 兼 医療サービス部 部長 鈴木 康敬
東京海上インターナショナルアシスタンス株式会社 業務企画部 兼 医療サービス部 部長 鈴木 康敬

アプリの自社開発をやめて、LINEの活用へ

 LINE to CALLの導入を決定する前は、IP電話やWebRTCを組み込んだ自社アプリの開発の検討も進めていた。開発をやめた要因は3つ。開発コスト、OSアップデートにともなうメンテナンスコスト、そしてユーザーがアプリをダウンロードしてくれる確証がもてないことだった。

 「そこで自社開発から既に普及しているサービスを活用していく方向へ舵を切りました。LINEなら、元々お客様からいただいていた強い要望からマーケットニーズも十分。また、国内7,600万人というユーザー数が示すように普及率の高さが決め手となりました」(業務企画部 兼 医療サービス部デピュティマネージャー 橋本尚美氏)

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
導入に際し懸念していたことは?

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

大木 一真(オオキ カズマ)

モジカク株式会社 代表取締役。株式会社サイバーエージェントに新卒で入社し、Webメディア「新R25」の立ち上げにディレクター兼編集職として参画。Webマーケティングを手掛ける株式会社AViC(2022年7月に東証グロース市場へ上場)の創業期に参画し、執行役員を務める。2019年1月にBtoBサービスやSaa...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2018/09/28 16:25 https://markezine.jp/article/detail/29124

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング