飲み屋は有効か?
佐藤:でも直接聞く方法だと、実際サンプル数は少ないじゃないですか。なぜ信用できる?

長瀬:現場で感じる肌感覚、ニュアンスのほうが大事だと思うんですよね。コスメビジネスで実感したのが、女性は相当ウワキするんです。あ、商品をね(笑)。それは今も同じで、EXILEの誰々くんが好きと言っていても、ジャニーズの誰々くんも好きだという不安定さがある。じゃあどういうときにEXILEの彼が好きなのか、それは調査データではつかめなくて、会って直接聞くほうがよほど効率的です。飲み屋でもなんでも、自分の肌感覚で得られることからターゲットを想定するほうが、ビジネスはワークすると思います。
佐藤:僕もベンチャー事業をずっとやってきて、自分がユーザー側の視点にならないと新しいことを思いつかないのはわかります。ユーザーの気持ちをつかむのに、データをにらむのではなく、直接聞くほうが大事なんですね。では、逆にどんなときにデータが使えると思いますか?
瀬出井:お客さんの要望、特にネガティブなクレームは人に言いにくいので、調査データが使えますよね。その中でちょっとまずいなという点があったら、深掘りしていく。
久保:あと、拡大路線ですね。1→10、10→100のフェーズではひたすらデータに頼ります。
鮮度の高い情報を刺激に
佐藤:瀬出井さんは、山田さんのイベントで知名度がばんと上がったとのことですが、次の一手としてはどんなことを考えていますか?

瀬出井:今考えているのはテレビCMですね。これまでも実施したことはあるのですが、あまりいい効果は出なかった。でも、今回のイベントを経たうえで行ったらどんな結果が出るのかというのは気になるところなので、挑戦しようと思っています。ちなみに、僕と久保さんはアドテック初登壇、長瀬さんは2回目ですが、佐藤さんはどうしてこのメンバーに声をかけたのでしょうか?
佐藤:純粋に、新しい挑戦をしている人の「鮮度の高い情報」を提供したいと思ったんです。そういう場に、アドテックがなっていくといい。アドテクの領域は、これまでテクノロジーに頼ってちょっとごまかしてきたところもあって、同じことなのに名前を変えてツールやブームが来たりしていましたが、そういうのには皆さんもう飽き飽きしていますよね。今回ダイヤモンドスポンサーを取らせてもらったのも、変化のきっかけを作りたいという思いがあるんです。僕ら自身も変わりたいという会社なので。このセッションも、こうして打ち合わせをしましたが、当日はさらに発展させた話ができればと思います。