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ネットで話題になるとどうなる?担当者が語るビフォーアフター

販売数は当初予想の4倍超!「ありそうでなかった商品」をバズらせるコツはストーリーテリングにあった

ユーザーの期待値を超える商品がバズる

――他の小売店でも『片手ですりきれる計量スプーン』に類似した商品が取り扱われるようになったそうですね。

松崎:商品の違いについては、使っていただくとわかるのですが、まず使い心地が大きく違います。私自身、試作品が完成した時に「こんなにスムーズで気持ちよく使える商品ができるとは」と感じたほどです。こればかりは使ってみないとわかりませんので、是非この使いやすさを体感していただきたいと思います。類似商品への対策については、現在特許出願済みですので、今後どのように対応していくのかを検討していきます。

――『片手ですりきれる計量スプーン』のユーザーからはどういった声が上がっていますか?

松崎:発売記念イベントでは、実際に調理実習のような形で皆さんに使用していただいたのですが、高い評価をいただきました。想像を超えるスムーズな使い心地に感動されている方が多かったようです。開発者冥利に尽きますね。この「良い意味で期待を裏切られる」という感覚が、ネットでの口コミなどにもつながっているのではないでしょうか。

――商品の開発から販売までの過程において、多くの販売につながった要因は何だと思われますか?

松崎:元々金融業界に身を置いていたため、「商品を訴求する」ということ自体が新鮮で、あらゆることが手探りでした。ひとつは、商品のオリジナリティが要因として考えられると思います。「片手でも正確にすり切れる」というコンセプトは、少なくとも国内にはあまりなかったと記憶しています。コンセプトを実現してくださった企業の方々には感謝しかありません。もうひとつは、ネットを利用することで、低コストで多くの方に商品の認知を広めることができた点が大きかったと考えています。

ネットはストーリーテリングに最適な場所

――今後はどのように『片手ですりきれる計量スプーン』を展開していく予定でしょうか?

松崎:今後は、まず販路の拡大をしていきたいと思っています。また、他社とのコラボ企画も積極的に行っていきたいですね。社会の高齢化が進むにつれ、より健康的な食へのニーズも高くなっていくと思いますので、「健康食品」「減塩」「簡単料理」といったキーワードに当てはまる商品とのコラボも検討していく予定です。その他、年に2回程度になると思いますが、定期的にイベントを行っていきたいと思っています。イベントやコラボの情報などは、プレスリリースを活用して配信していきます。

――最後に、MarkeZine読者に向けてアドバイスをいただけますでしょうか?

松崎:費用をかけずに話題作りをするには、クラウドファンディングとSNS活用は欠かせないと思います。この2つの長所は、ありそうでなかった商品の開発までに至るストーリーを発信しやすいところです。また、商品に対する反応や指摘がネット上では得られやすいため、双方向でのコミュニケーションが容易に行えます。そのため、商品の訴求の仕方など細かな軌道修正ができる点も魅力的です。「ありそうでなかった商品」を売るためには、いかにユーザーに「共感」してもらえるかがカギではないかなと感じています。

――どうもありがとうございました。

 世の中には、一般の方の小さな気づきから生まれたアイデア商品や便利グッズが数多く存在しています。その多くは、「なくても困らない」けれども、「あると便利」なものです。今回の『片手ですりきれる計量スプーン』と他の便利グッズとの一番の違いは、栄養学を学び、健康的な食生活の実践をサポートしているプロが開発したという点でしょう。早くも類似商品が出回っているようですが、差別化していくためには「なくては困る」ものとしてのポジションを確立していけるかにかかっているのかなと感じました。今後、アスリートフードマイスターや管理栄養士の資格をとって、裏方としてプロスポーツ選手の活躍を支えている奥様方を巻き込んでいければ、マーケティング面でも差別化していけるのではないでしょうか。

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6PAC(シックスパック)

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MarkeZine(マーケジン)
2018/10/31 08:00 https://markezine.jp/article/detail/29396

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