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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Autumn

スポーツ×デジタルマーケティングの現在位置を探る

赤字経営からリーグ2位の集客力へ Bリーグ・レバンガ北海道が推進したデジタルマーケティングとは

ファミリー層への訴求で複数枚購入を促進

MZ:ここまでの課題感をふまえ、平地さんが施策のプランニング、提案を行ったかと思いますが、どのようなプランを提案したのでしょうか。

株式会社プラスクラス 代表取締役 平地大樹氏

 Webコンサルティング会社プラスクラス代表。プロバスケ選手引退後、人材業界を経験し、Web業界へ。営業活動一切ナシのWebコンサル事業をプラスクラスとして収益化し、現在はプラスクラス・スポーツ・インキュベーション代表として、スポーツ界にWeb/ITを取り入れることを推進している。

平地:横田さんと出会ったタイミングで、Jリーグのチームである北海道コンサドーレ札幌と事例が作れていたので、どの程度のコストでどれくらいの集客ができるかは見えていました。

 そして施策ですが、単品通販で行うダイレクトレスポンスの施策と近いものになります。節ごとに、行きたいと思ってもらえるよう、コミュニケーションを仕掛けLPに呼び込む。離脱した訪問者にはリマーケティングをしつつ、最終的にはチケットを購入してもらう。このプロセスのPDCAサイクルを徹底して回しました。

MZ:どのような媒体に配信を行ったのですか。

平地:主にGoogle広告を活用しているのですが、役割をソリューションごとに分けて運用しています。GoogleディスプレイネットワークとYahoo!ディスプレイネットワークでは認知を取れるよう、インプレッション重視で配信し、1回でもLPに訪問したことのある人に対しては、リマーケティングしてチケット購入を促しました。

 また、検索連動型広告で指名系のワードや「Bリーグ」などのキーワードも漏れなく対策することで、色々な場所でチームやリーグを知ってくれた新規の方も取りこぼさないような対策を実施しました。

 もちろん、ターゲティングに関しても、スポーツに興味がある方を中心に、イベントごとやフェス・ライブなどのリアルイベントに興味がある層に集中し、できるだけ横田さんの要望する方に広告接触することを目指しました。

 また、その中でも30~40代のお子さんがいるようなファミリー層への配信に注力しました。1回で1枚ではなく3、4枚買ってくれる可能性が高いからです。リーグとしては若年層の取り込みに対策をしてくれていることもあり、当方としてはダイレクトに売り上げに繋がりやすい層からまずは狙っていく、という意図でした。

行政との取り組みも集客を後押し

MZ:ファミリー層で、1回の申し込みで複数枚購入されることを狙ったのですね。ちなみに現在の客単価はいくらぐらいですか?

横田:1,900円程度なので、正直もっと上げたいところです。ただ、球団の選手兼代表である折茂の持論ですが、子どもにはバスケを見て学ぶという機会を与えたいと、小中学生の自由席チケットを500円で販売しています。2017年は、札幌市内の小学校で教育委員会との連携協力により、毎試合チラシを送り、先生から子どもたちに1枚ずつ配ってもらっていました。そういう取り組みもあり、多少客単価は下がっていますが、必要な取り組みだと思い続けています。

平地:そのような、行政との取り組みは重要ですよね。重要とわかっていても、まだまだ疎かにしてしまっているチームは多いので、実直に取り組んでいるレバンガさんだから、集客が伸びているんですよね、きっと。

MZ:確かに、他のスポーツチームを見ても、行政と取り組みをして地元にチームの文化を広げていっていますね。

横田:私たちも、そういう文化を根付かせていきたいですね。先ほどの子どもの割引の話に戻りますが、500円で入るには、保護者の同伴が必要になります。つまり、デジタルでは親に対しアプローチし、子どもと一緒に来てもらう。行政との取り組みに関しては子どもに対してアプローチし、親を連れてきてもらう仕組みになっています。

 2017~2018シーズンは札幌市内の小学校に100万枚のチラシを配りました。市内の小学校には9万人いるので、1回でその数とホーム会場での試合数を踏まえた枚数となっています。

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1シーズンの施策で得られた成果は?

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/14 07:00 https://markezine.jp/article/detail/29626

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