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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Autumn

スポーツ×デジタルマーケティングの現在位置を探る

赤字経営からリーグ2位の集客力へ Bリーグ・レバンガ北海道が推進したデジタルマーケティングとは

1シーズンの施策で得られた成果は?

MZ:2017~2018年シーズンにおける取り組みの結果、どのような結果が得られましたか?

横田:来場者の数は前年比で134%増加、人数に直すと毎節1,000人ほど増加しました。Bリーグ初年度は平均2,700人だったのが平均3,800人に増えたんです。Bリーグの中では2番目に多い集客数となっています。

 また、一番来場者数が多かった試合では6,300人の方が集まり、この記録は昨シーズンでリーグ最高の記録です。メディアの方々にも「何をしたんですか?」と聞かれましたね。きっと誰もやっていないようなことをやっていると思ったのでしょう。

 しかし、我々は画期的なことをしたわけではありません。このビジネスにおいて魔法はなく、地道にやるべきことを徹底することが重要なのです。

 これまでのチラシ配りやポスター掲載といったアナログな施策や、デジタルによってセグメントした新たな層への集客施策。さらには様々な企画を行い、選手もシーズン中であるにもかかわらず、PRに対して全面協力してくれるなど、クラブに関わる全員が集客マインドを持ってやるべきことに取り組んできました。

 そして何より、「レバンガの試合に行けば何か楽しいことがある」という流れを作り、来た方に試合以外で楽しんでもらえる工夫を様々なところで行ってきた結果だと思っています。

 選手・コーチ陣はもちろん、フロントのメンバーを含めた球団の全員が自身のベース以上のことをしたのが一番大きいです。

 今、観客数が3,000人だった時に、満足するスタッフは一人もいません。昔ならそれで満足していたかもしれませんが、今は「毎節4,000~5,000人は入れないと」というマインドになってきています。そういった意味でも、デジタルマーケティングの取り組みで成果を出せたことは好循環を生み出していると言えます。

誰かを誘いたいと思ってもらえるように

MZ:最後に今後の展望についてお伺いします。

平地:2018~2019年シーズンは、もうすでに始まっていますが、レバンガさんについてはSNS活用にも注力していきます。サイトの解析をしていく中で、特にFacebookはLPへの到達率がある程度見込めるんですが、そもそもの母数が少ない。

 そこで、ファンとなりそうな顕在層からまだファンになるには遠い潜在層まで興味を持ってもらえそうな映像と広告を駆使して、本当にお客様になってもらえる層からフォロワーを増やせば新たなチケット購入の導線ができると考えています。レバンガさんの映像を今までも制作してきた私たちだからこそ、の取り組みで結果を出したいです。

 また、その先で注目しているところだと、Instagramストーリーズの広告活用です。ただ、それには縦型動画が必要で、バスケでそのような動画を撮影するのは難しいのですが、何とか実現したいです。当社の他案件でCPAが安く獲得できる実績が出てるので。

 他にも、スポンサー営業に関するデジタル活用も支援できるよう進めているのと、マスコットを使ったマーケティングもサービス化しようとまさに動いているところです。まだまだ、スポーツチームでできることはたくさんあります。

MZ:横田さんはいかがですか。

横田:我々のメインアリーナである北海きたえーるは6,500人程度入れる施設で、現在の平均来場者数は4,000人ほど。Bリーグの中では2番目の集客力になっていますが、まだ2,500席も余裕があります。まずはこの余白を埋めていき、常に満員のアリーナにしたいです。そのためには、引き続き新規へのアプローチをしていかなければなりません。

 スポーツ観戦の来場動機は実際のところ「誘われたから」という要因が大きいです。そのため今シーズンは、既存ファンの中でも年に数回来場してくれている方々のエンゲージを高め、コア層に引き上げるとともに、その方々がインフルエンサーとなり、周りを巻き込み、誘いやすい環境を創っていきたいと思っています。

 観戦者を感染者に変えていき、どんどんレバンガの面白さを伝染させていきたいですね。来たことがある方に楽しいと思ってもらい、それを人に伝えたい、誘いたいと思うような会場や企画を練っていきたいと思っています。

 我々の今シーズンのスローガンは「超えろを超えろ」ですが、超えなければいけないさらにその先に行く、ということは簡単ではありません。しかしながら、北海道にはそのポテンシャルが整っており、そのための会場や企画作りは非常にやりがいがあると思っています。プラスクラスさんには、そこの一翼を担っていただきたいです。

平地:横田さんたちは、テーマパークのような非現実空間で没入感あるエンタメにしたい、っていつも言ってますもんね。もちろん協力させていただきます。

横田:はい。我々は変化をし続けながらも、常に利益を出し続けなければいけないし、その利益を既存のブースターの方にも、新たなお客様にも還元したい。それでまた、「次来たい」「誰かを誘いたい」と思ってくれるお客さんを増やすという好循環を実現したいと思っています。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/14 07:00 https://markezine.jp/article/detail/29626

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