ユーザ定義のリスティング広告への活用方法
ユーザ定義を設定した場合、更にそれぞれのユーザ定義ごとの閲覧開始ページや流入キーワードといったデータも確認が出来るようになる。これを利用することで、ユーザ属性ごとに訴求効果の高い検索キーワードを調べるといったことも可能だ。
例えば、今後「女性」への訴求を強めていきたいと考えている場合、アンケートなどを実施して性別情報を取得することが出来れば、ユーザ定義レポートで「女性」に特化した流入キーワードの効果を確認することが出来る。このレポートから、女性への訴求効果の高い検索キーワードが見つかるかもしれない。つまり、ユーザ定義を使用することで、ターゲットユーザに効率よく訴求出来るキャンペーンの実現が可能になると考えられるのである。
上記と同じ要領で、ユーザの「都道府県」データを取得出来る場合、広告の地域ターゲティングの設定にデータを活用するということも考えられる。例えば、「東京都」「神奈川県」「埼玉県」「千葉県」とドロップダウン式に選択出来る場合、それぞれの都道府県別にその後の流入キーワードの分析が可能となり、「東京都属性のユーザでのみ流入しているキーワードのCV数」といった分析が出来るようになる。
デフォルトで用意されているレポートでも、こうした流入地域の表示は可能だが、IPアドレスを元に地域を特定したデフォルトのレポートよりも、ユーザ定義を使用した方がより精度の高い地域分析が可能になると考えられる。地域ターゲティングを実施する際に、こうした精度の高い地域データを活用出来れば、より効率の良いキャンペーンの展開につながることが期待できるだろう。ただし、ユーザを絞り込むことは、対象データ量が少なくなることに繋がるので、統計的に有効なデータ量が集まるかには事前に十分留意してもらいたい。
他には、リスティング広告のランディングページ最適化(LPO)の効果を正確に計測する為にユーザ定義を使用することが考えられる。Google Analyticsではランディングページに訪問したユーザのCV数を調べる場合、同一セッション内の効果が確認出来る一方、セッションが切れた後に別のページを経由してコンバージョンした場合は、ランディングページの効果としてコンバージョンを計測することが出来ない。しかし、ユーザ定義では有効期限の長いcookieを使用して効果を計測している為、cookieが削除されない限りセッションに関係なく効果を計測することが出来る。
上記の特性を活かして、A/Bテスト実施時にそれぞれのページの訪問者にユーザ定義を使用することも考えらる。ランディングページの時と同様に、セッションに関係なく長期的な効果も含めた比較が出来るようになる為、より細かく効果を計測出来るようになる。
今回はユーザ定義レポートを利用したミクロな観点での分析を紹介した。一方で先日リリースされたGoogle Analyticsベンチマークサービス(自サイトの解析データを、同業他社のサイト群と比較できるサービス)を用いると、マクロな観点での分析も可能となる。Google Analyticsの豊富な機能を使いこなして、様々な観点で分析を行うことで、より一層の成果向上を目指したい。