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GLAYならではのコンテンツでエンゲージメント向上 「アーティスト×位置情報」の持つ可能性

GPSのメリットとは?

 位置情報を活用したソリューションを提供しているブログウォッチャーも加えた3社は、企画内容をさらに詰めていくことに。ファンに喜んでもらうことはもちろん、グレナビを通じて音楽ライブ以外の時間を楽しく観光してもらえるようにと、函館市の地域活性にもつながるような企画にブラッシュアップしていった。

 スポットには観光名所だけではなく、音楽ライブに向けて刊行されていた函館のガイドムック『GLAY Walker』で紹介していたメンバーゆかりの場所も追加。また、野外ライブの会場から遠すぎる場所は省いた。

 そして、各スポットを中心にGPSの範囲を設定。ブログウォッチャーの「プロファイルパスポート SDK」をGLAY公式アプリ内に搭載することで、位置情報に合わせたプッシュ通知を可能にした。これらの要素が整ったことで、ファンが各スポットに訪れるとメンバーゆかりのコンテンツが楽しめるという体験が完成した。

 この企画に関してブログウォッチャーの担当者である山下大介氏は「GPSの強みが、今回の企画にうまくはまりました」と振り返った。

ブログウォッチャー山下氏
株式会社ブログウォッチャー プロファイルパスポート事業部
プロダクト開発本部 カスタマーサクセスグループ グループリーダー 山下大介氏

 「GPS衛星による検知を活用することで、函館空港や緑の島など、ビーコン設置などが難しい場所の位置情報も活用できました。また、オンラインの地図上で検知範囲を柔軟に設定できるのでユーザーの動線に合わせた通知ができることも利点ですね」(山下氏)

実施期間中のインストール数が増加

 今回のグレナビの結果について聞いたところ、3社ともに成果が得られたと高く評価した。

 まず、電通ライブの松本氏は「体験者の属性が明確になったのが良かった」と語った。

 「これまでイベントなどに合わせたキャンペーンで情報を得ようと思うと、参加者の方に名前や生年月日などの情報や感想などをアンケート形式で聞いていました。しかし、今回はGLAY公式アプリ内の機能として提供したことで、何人体験したか、男女比などの属性データを手間なく取得することができました」(松本氏)

 松本氏によれば「実施期間中のインストール数は大幅に増加し、インストール目的の広告を配信するよりもコストパフォーマンスが良かった」という。

 また、実際の利用者数は公表していないが、一人当たりのプッシュ通知数が約11ヵ所となっており、19地点のスポットのうち約半数を巡っていることがわかった。さらに、ブログウォッチャーが調べたところ、期間中における19地点の人流は前年比112%増だったという。

 ラバーソウルの担当者もこれらの成果を含めて「音楽ライブ以外でのファンサービスが追及できた」と満足していた。

 「無料会員でも体験できる機能として提供することで、GLAY公式アプリを活用したファンサービスとアプリの認知拡大、ダウンロードの促進にもつながりました。また、音楽ライブのために函館まで来てくれたファンにも、函館の魅力が伝わったと思います。そして、行政とアーティストが一緒になって地域活性となる取り組みができたことにも、大きな意味があると考えています」(ラバーソウル担当者)

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今後の位置情報活用のベースに

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/01/29 09:00 https://markezine.jp/article/detail/30132

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