2019年、コンテンツマーケティングの最重要テーマは「Trust」
アメリカ・ロサンゼルス在住である筆者は、年に複数回、アメリカにて開催されるコンテンツマーケティング関連のカンファレンスに参加しています。2018年も延べ5つのカンファレンスに参加しましたが、特に印象に残ったキーワードが「Trust(信頼)」でした。多くのスピーカーがコンテンツマーケティングの成功に欠かせないものとして「ユーザーからの信頼獲得」を説いていたと感じています。
そこで今回は、2019年以降のコンテンツマーケティングで成功の鍵となる「Trust(信頼)」について、背景にある問題や、その解決策について解説していきます。まず、なぜ今「信頼」が重要視されるのか。そこには大きく2つの背景があります。
1.信頼性の向上が「社会課題」に
1つ目は、GDPRやフェイクニュースなどに代表される、社会課題や問題に関連するものです。2018年施行のGDPR(EU一般データ保護規制)は、個人情報取り扱いの信頼性向上を目的としたWEBマーケティング全体への社会からの要請と考えられます。またアメリカを含む世界で社会問題化するフェイクニュースも、コンテンツの信頼性に関わる問題です。2019年以降も、社会が要望する信頼性向上はコンテンツマーケティングの1つの課題になると思われます。
2.コンテンツの信頼性がSEO施策にも影響する
2つ目は、これらの信頼性の問題に起因した、Googleの検索アルゴリズム変更など、SEOをはじめとする各種コンテンツマーケティング施策への影響です。たとえば、GoogleやFacebookなどが活用するAI(人工知能)プログラムは、フェイクニュースなど信頼性の低いコンテンツを見極め、そのコンテンツの評価を下げたり、除外したりするなどの取り組みを始めています。そのため、今後のコンテンツマーケティングは、コンテンツに対する「Building Trust(信頼構築)」なしには、その効果を発揮することが難しくなると予想されます。
とは言え、「信頼」という陳腐化したキーワードに対して「何を今さら……」と感じる人も多いでしょう。今、声高にコンテンツマーケティングで信頼が叫ばれるのには、上記のような背景に加え、もう1つ別の理由も考えられます。昨今アメリカでは、コンテンツマーケティングやWEBマーケティング、あるいは“マーケターという存在そのもの”への信頼が低下しており、そこに危機感を抱くマーケターが非常に多いのです。