CEOの80%が「マーケター」を信頼していない?
コンテンツマーケティングツールを提供するHubspotが2018年にアメリカとイギリスで実施した、2,000人以上の消費者を対象とした調査によると、「65%の消費者が広告を信頼しておらず、また71%の消費者がソーシャルメディアのマーケティング広告を信頼していない」という結果が出ています。

また、同じくHubspotが行った職種別の信頼度の調査で、マーケターという職種は、バリスタやジャーナリストよりも消費者からの信頼性の低い職種とされています。(出典:Marketing and sales not considered trustworthy│HubSpot Research)
さらに、イギリス・ロンドンのFournaise Group(フォーネイズ・グループ)が1,200社以上のCEOを対象に実施した調査によると、調査対象のCEOの90%がCIOやCFOを信頼する一方、80%が「マーケター(CMO)を信頼していない」と回答したそうです。その主な理由は、マーケターはマーケティングコストを消化するばかりで、会社の収益拡大への貢献意識が低いというものでした。(出典:80% of CEOs Do Not Really Trust Marketers|The Fournaise Marketing Group)
すべてのマーケターがこれに該当する訳ではありませんが、極論、コンテンツマーケティング担当のマーケター社員は、社会からも、社内からも相当信頼の低い存在になりつつあるというのが上記の調査結果から推察される結論です。これらの点に危機感を抱くマーケターがアメリカでは非常に増えてきているようで、「マーケティングの仕事を見直そう」という機運が高まりつつあります。
そもそも信頼性の低いブランドや会社、WEBサイトやマーケターから物やサービスを購入する消費者はいるでしょうか? 基本中の基本とも言えるこの考え方が、ともすると新しいマーケティング手法や技術に関心が集まりがちな昨今の風潮の中で軽視されてきたのかも知れません。
こうした問題は、もちろんアメリカだけの問題ではなく、日本のコンテンツマーケティングにも深く関わってきます。2018年8月のGoogleのコアアルゴリズムアップデートも信頼性に関連する事例で、特にYMYL領域(Your Money or Your Life:お金や人生に関わる領域)のコンテンツで影響が大きかったと報じられています。また2016年末にあった健康・医療系キュレーションサイトにおけるコンテンツ内容の信憑性にかかる問題も記憶に新しいところです。
2019年以降のコンテンツマーケティングにおいて、コンテンツの読み手(=消費者)からの信頼獲得は、マーケティング効果最大化のための重要テーマです。では、信頼される良質なコンテンツを作成するにはどうすれば良いのでしょうか。