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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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定期誌『MarkeZine』特集

アプリ活用がしたければCRMを心得よ

 ゲームなどIT企業の本業としてだけでなく、非IT企業のコミュニケーション手段としても、今やアプリは一般的なチャネルになっている。だが、目的の見極めから予算配分、リリース後の運営まで含めて、順調に運用できているケースばかりではない。6,000以上のサービスにアプリマーケティングのプラットフォームを提供し、企業へのマーケティング支援に実績が厚いReproの平田祐介氏は「アプリマーケティングで最も重要なのはCRMの観点」と語る。アプリマーケティング導入時の観点と運用のポイントをうかがった。

※本記事は、2019年2月25日刊行の定期誌『MarkeZine』38号に掲載したものです。

アプリマーケティングはサブスクリプションに近い

 スマートフォンの普及とともに、アプリはすっかり生活者に定着したチャネルになりました。本稿では、アプリマーケティングをこれから始める非IT企業や、現状の運用に課題をお持ちの企業に役立てていただけるよう、立ち上げ時から運用中のポイントを解説していきます。具体的には、以下の項目を順に紹介します。

  1. アプリマーケティングの全体観
  2. Webとアプリの違い/リテンションの重要性
  3. 非IT企業のアプリマーケティング
  4. 広告とASOのポイント
  5. CRMの経済効果と改善方法

 まず、アプリマーケティングがどういうものなのか、全体を掴めるような話をしたいと思います。昨今の流行りに即して言うと、アプリマーケティングは“サブスクリプション”型のビジネスに非常に近いと感じています。その理由は、継続してもらうことこそが肝心だからです。

 定期購買が月額課金での利用を前提とするサブスクリプションサービスは、言うまでもなく継続率がビジネスを左右する大きなカギとなりますが、アプリも同じです。アプリ自体に収益性を期待していないコミュニケーション目的のアプリでも、その場合は顧客データ取得やエンゲージメント向上などの別の目的があるわけなので、継続利用が望ましい点は同様だと捉えています。

 私が年間に数多くのセミナーなどを担当する中で、初歩的ながらよく挙がる「Webとアプリの役割はどう違うのか/どう使い分ければいいのか?」という質問がありますが、いわばWebは旧来の売り切り型のビジネス、アプリは継続が大事になるサブスクリプション型のビジネス、と解説するとピンとくる方が多いようです。

 Webではそこでのコンバージョンがゴールになるので、いかに流入してもらうかを追求するマーケティングがとても重要ですが、アプリのマーケティングは、インストールしてもらうところがゴールではありません。そこがむしろ、スタートです。広告やASO(アプリストア最適化)で集客し、インストール後も活性化させていく、その一連が円滑に進んで初めてアプリマーケティングが成功へと向かうと考えています(図表1)。

図表1 アプリマーケティングの全体像
図表1 アプリマーケティングの全体像

 実際、ECサービスなどでは「アプリで購入するとポイント2倍!」などインセンティブを提供してでもアプリへ送客していますが、それはWebよりアプリのほうが総じてLTVが高く、提供ポイント分も回収できるとわかっているからです。広告費や開発費が安価なWebは新規ユーザー獲得チャネルとして活用し、アプリはロイヤルティやエンゲージメントを向上しLTVを高めていくという流れが、現在は一般的になっています。

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Webは新規獲得 アプリはリテンション

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この記事の著者

平田 祐介(ヒラタ ユウスケ)

Repro株式会社 代表取締役
1980年、東京都生まれ。戦略コンサルタント出身のシリアルアントレプレナー。大手コンサルティングファームに入社後、主にメーカーに対して経営戦略立案支援や成長支援業務に従事。2011年から複数の事業の立ち上げに関与したのち、2014年にReproを創業。世界59ヵ国6000以上のサービス...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/02/25 13:15 https://markezine.jp/article/detail/30379

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