「音声ありき」のクリエイティブで「驚き」を作る
MZ:エンゲージメントを追った結果、コミュニケーション量の最大化につながったのですね。
伊藤:ユーザーがどのようなときに驚きや喜びを感じ、またその感情をシェアしたくなるのかを知るため、私自身、一人のユーザーとしてTikTokをかなり利用しました。そこで得た情報を基に、「楽しい」「驚いた」「かっこいい」など「喚起したい感情」別にクリエイティブを作成しました。
ある広告クリエイティブでは、「驚き」を重視し、まるで音が360度から聞こえてくるように感じる「立体音響」を取り入れました。その結果、「音ありで見て!」というようなコメントとともに、広告をシェアしてくださる方も多かったです。
泉谷:TikTokは多くのユーザーが音ありで利用しています。スマホ向けの広告だと音なしでも成立するよう設計するのが一般的だと思いますが、音声ありきのクリエイティブを試せるのもTikTokならではと言えるのではないでしょうか。
移り変わりが早いTikTokで勝ち続けるために
MZ:最後に、今後の展望を教えてください。
渡邉:今回の広告運用では、良い成果を出すことができました。だからといって、同じ手法をずっと繰り返すのは違うと感じています。休眠ユーザーにもう一度遊びたいと思ってもらえるにはどうすればいいのか。目標達成に向けてその時その時で最適なプラットフォームを選択し、最適な戦い方を模索し続けていきたいですね。
泉谷:TikTokは国内でまだまだ伸びしろがありますし、広告プラットフォームとして大きな可能性を秘めていると思います。大画面のインフィードに加え、インタラクティブ性・聴覚へのアプローチなど従来のプラットフォームにはない要素が多数詰まっていますからね。
そういう意味では、今回のミクシィさんとの取り組みでTikTok広告の新たな一面を引き出していただけたと感じています。今後、独自のアプローチができるという認識をさらに広げていきたいですね。
伊藤:今回の取り組みは成功しましたが、独自のアイデアを出し続けるのは難易度が高く、課題に感じました。TikTok内でのトレンドの移り変わりが非常に早く、制作したクリエイティブのエンゲージメントも短期間でピークを迎えるので、常に新しいものを作り続ける必要があります。
アイデア出しは属人化しがちですが、フレームワークに落として仕組み化させようと思い、既にTikTok専門部隊を立ち上げています。今後はより成果の出るクリエイティブを組織的に作っていけるよう体制を整えていきます。
また、ほとんどの広告主様はやはりCPAを重視されるところが多いので、CPAベースでも成果を出せるようさらに分析を強化していきたいですね。