日本銀行は、全国の満20歳以上の個人4,000人を対象に第33回となる「生活意識に関するアンケート調査」を実施し、2,302人から有効回答を得た。
1年前と比べて、今の景気はどう変わったかについては「良くなった」2.4%、「変わらない」37.1%、「悪くなった」60.1%となり、「悪くなった」と回答した人は前年の45.5%から15%近く増えている。また、そう考える理由については、「自分や家族の収入の状況から」47.7%、「勤め先や自分の店の経営状況から」34.5%、「マスコミ報道を通じて」30.1%がトップ3となり、前回調査よりもマスコミ報道の影響を強く受けていることがわかった。
また、物価が1年前と比べてどう変わったかについては、「少し上がった」が60.7%、「かなり上がった」が25.2%となり、物価上昇を感じている人が8割を超えている。
また、今回調査の後半では日本銀行についての質問も行っている。日本銀行の活動に日頃から関心があるかを尋ねたところ、「関心がある」は6.4%、「どちらかと言えば、関心がある」18.4%で積極的に日本銀行の活動に興味を持っている人は少ない。また、日本銀行が生活に役立っていると思うかという質問については、「役立っている」17.0%、「どちらかと言えば、役立っている」26.9%、「どちらとも言えない」42.4%で、半数近くの人は日本銀行の役割についての実感を持っていないことがわかった。
また、日本銀行を信頼しているかについては、「信頼している」12.4%、「どちらかと言えば、信頼している」26.7%、「どちらとも言えない」48.0%。日銀総裁の不在などをめぐる状況について批判的な報道がなされているが、日本銀行に対して不信感を抱いている人が急増するといった状況にはなっていないようだ。
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・「生活意識に関するアンケート調査」(PDF)