※本記事は、2019年3月25日刊行の定期誌『MarkeZine』39号に掲載したものです。
ブランドから代理店へ転職した理由
ビーコンコミュニケーションズ株式会社 Integrated Communications Specialist Opera&Classic Music Ambassador 越智 麻央子(Maoko Ochi)氏
5歳からバイオリンを始め、東京音楽大学付属高校でクラシック音楽を学ぶ学生時代を送る。早稲田大学卒業後、2010年に楽天へ入社。2014年からは、日本コカ・コーラにて主力ブランドのデジタルコミュニケーション開発や、IMCマーケティングに従事する。2017年には、コロンビアで開催された次世代リーダーサミット「One Young World」にも参加。2018年7月にビーコンコミュニケーションズへ入社し、現職。
――これまでのキャリアを教えてください。
大学卒業後に新卒で楽天へ入社し、ECコンサルタントとして楽天市場に出店している店舗様の運営コンサルティングを担当しました。東京本社と大阪支社での勤務、そしてシカゴでの海外営業にも関わりましたが、あるお客様を担当したときにECのバナー広告、LP一つひとつにこだわる姿勢に大変影響を受け、ブランディングの重要性を強く実感し、ブランド側の仕事に興味を持ったのです。また、よりグローバルな仕事をしたいという気持ちも強くなり、2014年に日本コカ・コーラ(以下、CCJC)へ転職しました。
CCJCでは、デジタルコミュニケーションマネージャーとIMC(Integrated Marketing Communication)プロジェクトリーダーとして、ファンタやスプライトなどのコミュニケーション設計に携わりました。デジタルコンテンツの開発やそれをレバレッジするためのデジタルメディアプランニングを、パートナーである広告代理店と一緒に形にしていきました。また、デジタル出身者として初めて任命されたIMCプロジェクトリーダーでは、新ブランドのヨーグルスタンドを担当し、Twitterのインスタントウィンを日本で最初に取り入れ、延べ参加回数50万回を達成しました。Twitter Japanの大きな協力もいただき、今も思い入れのあるキャンペーンです。そして、2018年の夏に、総合広告代理店のビーコンコミュニケーションズへ転職しました。
――CCJCでは大きなブランドを担当し、マーケターとして希望していたブランディングに関われていたと思います。なぜ、広告代理店へ転職を?
IMCプロジェクトリーダーは、デジタルだけでなく、テレビなどを含めた、すべてのプランニングを把握し進行管理を任されます。ブランドチームと代理店の間をつなぐ新しい経験をするなかで、オフライン・オンライン問わず、コミュニケーション全体を設計できるコミュニケーションプランナーになりたいと思うようになりました。デジタル領域は、広告費の伸びとともに重要性が高まっていますが、デジタルだけですべてが解決するわけではありません。むしろ根本的なアイデア開発や全体設計ができた上で、手法としてデジタルも組み込んでいくべきだと思っています。そこで、コミュニケーション開発のプロである総合広告代理店で、総合的なコミュニケーション設計の業務を主務にしたいと思い転職を決意しました。