ファンは何者なのか? を徹底的に考える事が重要
今回はSNS戦略が生んだヒットコンテンツとして、『おっさんずラブ』を事例に分析結果を説明しましたが、ここから見出された法則は他の映像コンテンツや、あるいは商品のプロモーションなどに活用する事はできるでしょうか?
商品やブランド、コンテンツによってターゲットとする生活者の趣味嗜好、行動は異なりますので、取り組み自体はその都度考える必要があるように思います。しかし、その商品やブランドのファンがどのようなユーザー層で、どのようなプラットフォームで活動をしているのかを考え、最適なアプローチを考える、というプロセスは共通しているように思います。
まとめると、商品やブランドのアピールをSNSで行う際のポイントは以下3つです。
1)クラスタ&ターゲット分析&設定
自社のブランド、商品、コンテンツ等において、各クラスタは誰をセッティングすれば良いか分析する。見極める。
2)コミュニケーションアイデアプラニング
各クラスタのターゲットをセッティングした後に、彼らと効果的にコミュニケーションするための手法は何か? を調査&実行する。3)プロモーションセッティング
各クラスタ向けのコミュニケーションアイデアが決め次第、それを時系列でセッティング。
この3点を順に実行し、繰り返すことです。分析や調査の結果をSNSに投下し続け、反応の良かった投稿の方向性・切り口をより洗練させていく事が、ターゲットとのコミュニケーションの効果を高めていく秘訣なのではないでしょうか。
このようなアプローチは、商品・ブランドからの一過性のメッセージをユーザーに発信する、というスタイルのプロモーションは異なる、SNS時代の新しいスタイルといえます。これは、ユーザーとテレビ、Webなどのメディアとの触れ合い方に大きな変化が発生し、その変化により生まれたスタイルといえるのではないでしょうか。そして、その結果、SNSを基点とするコンテンツのブームが複数発生するようになったのではないか、と筆者は考えます。
生活者の想いや行動を観測しやすいSNSというプラットフォームは、今後も企業やブランドが生活者とコミュニケーションし、ファンを醸成するために最重要なタッチポイントです。そのタッチポイントの活用のためには、生活者がどのような文脈でSNSを楽しみ、会話をしているか、その行動に目を向ける事が必要なのです。
