「事業家としてもったいない道を行くな」
押久保:野口さんとは、MarkeZine立ち上げの頃からの付き合いです。イー・エージェンシーに長くいらしたので、今回のご転職のお話は驚きました。ZOZOグループに、また一人稀有な人が入られるんだなと。金山さんとは、大学の先輩・後輩の仲だそうですね?
野口:そうなんです、20年来の付き合いですね。濱渦さんとも、10年くらい前から交流がありました。
金山:僕が大学に入ったときは、野口さんは既に学生起業家として、Web制作会社を運営されていたんです。当時から、すごいなと思っていました。目立っていましたね。
押久保:そうなんですね! では早速ですが、どういう経緯で入社されたのか、うかがえますか?
野口:仕事上の区切りがついたこともあって、このタイミングで新しいことに取り組みたいと思い、元々前職は3月末で退職することになっていました。
外部の複数の会社から手伝ってほしいとご要望をいただいていて、当面は一人で事業支援をするつもりでした。そんな折に、金山さんと濱渦さんの両巨頭にはさみうちにあって(笑)、「事業家としてもったいない道を行くな」と言われたんです。ZOZOなら、事業家としての手腕を存分に振るえるから、ぜひ来てほしいと。
ZOZOのビッグデータ×AIの大きな可能性
押久保:なんと。「もったいない道を行くな」と自社へ誘うとは、金言ですね!
野口:ですよね。そう、ズバっと言ってくれる人もなかなかいない。最初はZOZOも外部メンバーとしてお手伝いする予定だったんですが、この言葉で大海に飛び込む腹が決まりました。私は前職でもAI活用の推進に力を入れてきたので、ZOZOの抱えるビッグデータを通してその深さと広さを存分に追求できることも、大きな決め手でした。
押久保:なるほど。金山さん、濱渦さん、この言葉の真意は?
金山:僕は学生起業家の時代から野口さんのことを知っていて、アントレプレナーであり経営経験もあるその価値は計り知れないと思っていました。コンサルタントとして支援側に徹しても食うには困らないだろうけど、事業家としての野口さんのほうが圧倒的に貴重だから、前職を退職されるなら絶対にZOZOグループに来てほしかったんです。
AI活用の点でも、僕は新規事業創出とR&Dという2つのミッションにおいて全面的にAIを取り入れて、2020年代中にZOZOを日本一AIを活用している会社にしようとしているので、野口さんにはぜひそこで勝負してほしい、と。
濱渦:僕も同感でした。加えて、イー・エージェンシーがWebの制作会社からSaaSの会社へ、さらにデータを扱う会社へと変化してきた中、そういう変化をみずから起こされた功績は大きいと思いました。