「MarkeZine Day 2019 Spring」では、「統合メディアプランナーとして領域を超えるには」というテーマで、ベストインクラスプロデューサーズ 代表取締役社長の菅恭一氏をモデレーターに、ネスレ日本の媒体統轄室 マネジャーを務める村岡慎太郎氏、スマートニュースのマーケティング マネージャーである山崎佑介氏によるセッションが行われた。これからの統合メディアプランニングに必要なことについて、ネスレ日本、スマートニュースの具体的な事例と共に3つの視点から議論された内容を紹介する。
ネスレ本社直伝のプランニングとは?
「デジタルに閉じたメディアプランニングは、ビジネスインパクトを残せているのか?」という、ベストインクラスプロデューサーズの菅氏の問いかけから始まったセッション。
デジタルだけで十分なインパクトが出し辛くなっている今、これからはより統合メディアプランニングの考えが重要となる。同セッションの中では、そのPDCAを回していくために必要なものについて、「メソッド」「アップデート」「オポチュニティ」の3つの視点から意見が交わされた。
ネスレ日本株式会社 マーケティング&コミュニケーションズ本部 媒体統括部 媒体統轄室 マネジャー 村岡 慎太郎氏
株式会社ベストインクラスプロデューサーズ 代表取締役社長 菅 恭一氏
まずは1つ目の視点「メソッド」について、どのようにして統合プランニングのPDCAを回しているのか、両社の事例が紹介された。
先に語ったのはネスレ日本の村岡氏。同社はスイスのネスレ本社のメソッドをもとにメディアプランニングを行っている。具体的には、まずブランドに応じて最も重要な要素をピックアップ。そして選んだ要素を軸に、優先すべきコンタクトポイントを明確にする手順を踏んでいく。
たとえば、いくつかな要素の中から「Communication Objective(このブランドを通して何を達成したいのか)」と「Receptivity(コミュニケーションが当たったときのお客様の受容性)」などを選び、プランニングを行っていく。
プランニングの中で優先的に行うべき事項について社内で合意した後は、ワークショップを開催。メディアやエージェンシーを呼び、ショートプレゼンテーションを行う。そして、議論して全員で点数を付け、実行プランの選定をしていく。
デジタル偏重で出稿することの弊害
しかしながら、メディアやエージェンシーがお互いに点数を入れあったら、エゴが出て成り立たないのではないか。村岡氏はこの疑問に答える形でワークショップを行うメリットを語った。
「不思議なもので、1つのKPIやKGIをみんなで追いかける内にその辺のエゴはなくなるんですね。むしろワークショップの中で、新たなアイデアが見つかり、コラボレーションが生まれるケースもあります」(村岡氏)
そうしてスコアとコンタクトポイントとしての優先順位が高いものを、「認知」「理解」「アクション」「シェア」を軸に整理整頓してジャーニーを作成。これに沿ってプランを粛々と実行していく。
このようにPDCAを回しているネスレ日本だが、村岡氏はデジタルとオフラインを組み合わせることの重要性を感じたできごとがあったと話す。
「2018年、デジタルで数字が精緻に可視化できるようになったので、どんどんデジタルに予算をシフトしました。その結果、投資が購入検討段階のファネルに偏り、ビジネス規模が拡大しないという事態に陥ってしまったんです。オフラインメディアとデジタルメディアを組み合わせて、認知などのアッパーファネルに対し投資することを疎かにしてはいけないと学びました」(村岡氏)
この学びを得て以降村岡氏は、オフラインメディアとデジタルメディアの投資効率を調査で明らかにしている。さらに、どのメディアの組み合わせが最もシナジー効果が高いかも見るようにし、全体の予算配分を考えているという。
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畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)
フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。
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