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花王廣澤氏が若手視点で聞く、これまでとこれからのマーケティング

若手に知って欲しい、真の「成長」とは?【花王廣澤氏×ムーンショット菅原氏対談】

本当に成長したければ、産業の成長も考えよ

廣澤:続いて、産業の成長についてうかがいます。菅原さんは、個人や事業の成長とともに、産業ないし業界が発展すること自体も重視されているとのことですが、改めてその理由を教えていただけますか。

菅原:おもしろいビジネスを行いながらみんなが成長していくためには、業界自体の成長が必要です。#20代マーケピザでは成功事例を教え合っているのですが、そのようなことができるのも産業の成長があってこそ。僕がアドテクのセールスに関わっていた時代、業界の成長が鈍化した結果価格競争が巻き起こり、業界で働く人が疲弊していくのを目の当たりにしました。

 業界が120%成長していれば、競争は起きません。そして、そういった業界であれば、真面目に働くだけで全員が120%成長できます。私はそのような環境が実現できるよう、産業や業界の成長というのを意識しています。

廣澤:つまり、業界の成長が鈍化すると生産性のない競争が起こり、その競争にかけるリソースの分だけ個人や事業の成長の障害になるということですね。業界の成長を持続させる、もしくは違う市場を切り開くことが産業の成長には求められるのでしょうか。

菅原:廣澤さんのおっしゃるとおりです。たとえば、飲食産業は厳しいと言われることが多いですが、昨今伸びている時短に対するニーズを捉えればチャンスもあるはず。自社に合った市場を見つけなくてはいけませんし、その市場を見つける力はマーケターに必須だと思います。

過去にとらわれず、自由なキャリア育成を

廣澤:では最後に、若手マーケターに対してアドバイスをいただけますでしょうか。

菅原:まず、マーケターとして成長できる市場を選んで働けると良いと思います。そのために、どのようにマーケターとして成長したいのか。5年後、10年後にどうありたいかについて考えることが大切です。そうすればやるべきことも自ずと逆算できると思います。

 このマインドがあると、学びも豊かになると思います。たとえば読書をしようと思った際、手当たり次第に本を読むのではなく、自分には何が必要かを考える。そして、それに適していそうな本を読み漁り、かみ砕いて理解するのです。

 そして、得た知識はインデックスをつけて後で思い出せるようにしてから、自分の頭の引き出しにしまうことが重要です。あと、つい本を読むとすべてを理解しようと躍起になる方が多いのですが、学びは1章分だけでも良いと思います。

廣澤:確かに、目先のことにとらわれて5年、10年先の自分の姿を想像できていない人は多いかもしれません。一方で、キャリアについて考えるとき、つい明確な目標設定をしなければならないと思い悩むことがあると思いますが、将来の姿というものを、何か「人生の使命を見つけなければならない」くらい重く捉えている節もある気がしています。実際、「自分が楽しいと思えることを見つける」くらいの抽象度でも良いのではと思うのですが、いかがでしょうか。

菅原:その考えに、大賛成です。というのも、過去にとらわれすぎている人が多いと思うんです。過去から現在への一貫性を保つことを気にし過ぎると、自ら選択肢を狭めてしまいます。過去の自分は、他人。未来については、無責任にやりたいことに挑戦してもいいんじゃないですかね。

 僕が仕事に求めていることは、「難しい問題を解く」こと。だから、未来も仕事内容や業界は問わず、難しい問題を解くことができればいいんです。そのくらいの抽象度のお約束さえあれば、自由に意志決定できると思います。

自身の経験が役立つところに飛び込む

廣澤:菅原さんご自身も、アドテク、EC、マーケティングと様々な領域で活躍されてきました。今後はどういったことに挑戦していくのでしょうか。

菅原:今は、アパレルのマーケティング支援に挑戦しています。これまでアパレルの経験はありませんが、これまで取り組んできたことの経験が求められたので実現できたんです。自分の経験が役に立つ人や組織のもとへ行くのが一番だと思っているので。

 マーケターはヒエラルキーの強い企業の中で、こつこつ修行をしていくケースが多いと思います。しかしながら、担当者が少ない他の企業へ行き、現場で学びながらプロになっていくという選択肢もあると思います。

 他の企業で経験を積んだ後に前いた企業に戻れば、できることも増えて周りからの期待も変わるでしょう。その経験が、たとえこれまでのルールやマナーと異なっていても、決してムダにはなりません。先ほども伝えましたが、過去にとらわれず新たなことにどんどん挑戦して欲しいですね。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/06/03 09:00 https://markezine.jp/article/detail/30909

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