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リターゲティング広告のリーダーCriteoが「新規獲得広告」に注力 中小・新興企業が見逃せない理由

2019/05/28 11:00

 リターゲティング広告ツールとして圧倒的な支持を得る「Criteo(クリテオ)」。2005年の創業以来、リターゲティングツールとして順調に成長してきた同社は、2018年7月に戦略を大きく転換。リターゲティングだけでなく、マーケティングファネル全般を網羅しにいくと発表したのだ。同時にCriteoは中小やスタートアップから構成されるミッドマーケットへの支援を強化していくという。この2つの動きの背景には、どのような狙いがあるのか。日本におけるミッドマーケットチームの責任者であるマイケル・マコード氏に話を聞いた。

Criteoにとっての日本市場は「重要でユニークな存在」

MarkeZine編集部(以下、MZ):30ヵ国にオフィスを構え、多くの国で活用されているCriteoにとって、日本市場はどのような存在なのでしょうか。

Criteo Commercial Director MM Japan Michael McCord氏
Criteo Commercial Director MM Japan マイケル・マコード氏

マコード:日本市場は、我々にとって非常に重要でユニークな存在です。まず、アメリカを除けば世界で最も売上が高い国です。さらに、日本は他国に比べて代理店ビジネスが確立されているという特徴があります。

 他の国では、私たちは広告主企業と直接取り引きをしていますが、日本では多くの場合、代理店がビジネスを仲介します。Criteoはこの商慣習を尊重し、日本国内でビジネスを推進するにあたり、様々な代理店と関係を構築してきました。

 その成功をうけ、Criteoは日本以外でも代理店ネットワークを活かした企業支援を強化していく予定です。日本で培った代理店との関係構築ノウハウは、他国でも展開できるでしょう。

MZ:代理店向けの機能も強化していくのでしょうか。

マコード:その予定です。広告主に機能を提供する場合は我々と広告主、1対1の関係性でビジネスが完結します。代理店の場合、1社で複数の企業アカウントを管理しなければなりません。1対複数でも効率的な運用が実現できるような機能を随時追加する予定です。

MZ:代理店との関係性強化の狙いは、中小企業やスタートアップ企業などのミッドマーケットをさらに開拓していくためでしょうか。

マコード:そのとおりです。多くの大手企業と強固な関係を築いてきましたが、さらにより幅広い企業へのアプローチを増やし、関係性を強化していきたいと考えています。私はAPACのMid-Market Program Directorでもあるため、日本のニーズをミッドマーケットソリューションに組み込む取り組みを強化していくつもりです。

企業の成長段階ごとにソリューションを準備

MZ:改めて、Criteoの「ミッドマーケット」の定義を教えてください。

マコード:Criteoのミッドマーケットの定義は、パレートの法則(20%の上位顧客が、80%の売り上げをもたらす)に則っています。つまり、ミッドマーケットは、上位20%を除く全企業ということになります。私たちのミッションは、それら80%のミッドマーケット企業が20%のビッグクライアントになるよう支援していくことです。

 Criteoは大企業向けのソリューションだと誤解されることがありますが、実のところは広告主と一緒に成長していくツールです。スタートアップ企業の場合は、最初は限定された機能で小さく始め、事業成長とともに機能を追加していける体制を整えています。

MZ:規模の小さい企業の場合は、リターゲティングよりも新規ユーザー獲得を重視するケースが多そうです。

マコード:はい。当社が長年取り組んできたリターゲティング広告は既存顧客のニーズを喚起するもの。そもそも、Webサイトにある程度の流入がないと効果が見込めません。だからこそ、サイト流入がまだ少ないスタートアップや中小企業に貢献できるよう、新規顧客を獲得できるソリューションをリリースしているのです。

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リタゲ専業からフルファネルにシフトした2つの理由

MZ:まさに今言及されたとおり、昨年からリターゲティング領域だけでなく、新規獲得領域を含めた「フルファネル化」にシフトされていますよね。事業領域を広げた経緯を教えてください。

マコード:フルファネル化した理由は2つあります。1つ目は、クライアントから多くのご要望をいただいていたからです。私がCriteoに入社したのは5年前なのですが、当時から「リターゲティング領域でこれほどの成果が出せているのだから、他領域にも展開してほしい」とのお声を多数頂いていました。

 サービス領域を大きく広げることになるので、体制や仕組みを整えるのにある程度の時間が必要でした。十分な準備期間を経て、企業としても成長した今、フルファネル化へシフトしたのです。

 2つ目は、オープンインターネットの世界を実現するためです。

 今のインターネットビジネスは、いわゆる大手プラットフォーマーの各プラットフォーム内で完結し、閉じているものがほとんどですよね。大手は各自のプラットフォーム内の広告機能を洗練させ、顧客や商品にひもづくデータを囲い込む。プラットフォーマーとしては当然の動きだと思います。

 一方で、当社は「オープンインターネット」思想を軸に置いています。すべての広告主が平等にチャンスを得られるような状態にするため、Criteoが誇る大規模なデータプールへのアクセスを可能にし、リターゲティングだけでなく新規獲得においても高度なパーソナライゼーションを行えるようにしたいと考えています。

Criteoならではの保有データの量と質でO2Oも支援

MZ:フルファネル化したCriteoは、どのような強みを持っているのでしょうか。

マコード:保有する情報が圧倒的に多く、しかも質が良い点が挙げられます。当社は多くのクライアントから信頼され、深い関係性を構築できているため、多数のユーザーデータを分析に活かすことができています。

 クライアントのCRMデータと当社が持つユーザー購買データを匿名のショッパーグラフとして結びつけることで、1ユーザーの情報がリッチになり、より個別最適化された広告配信が可能になります。今後は、クライアントのCRMデータに含まれるオフラインデータを活用し、O2Oビジネスにも貢献していきます。

MZ:各クライアントが保有するデータがCriteoのプラットフォームに蓄積、統合され、よりリッチなユーザーデータとなってクライアントに還元されるというわけですね。

マコード:そうです。ちなみに、当社が保有するユーザー情報はもちろん暗号化されており、メールアドレスや住所など、個人を特定できるようなものではありません。早い段階からプライバシー保護は徹底しており、GDPR(EU一般データ保護規則)が策定される前から十分な対策を進めてきました。

 これだけのレベルのユーザーデータを保有できているのは、長年実績を積み、クライアントからの信頼を勝ち得たからこそ。競合はどんどん出てきてはいますが、そう簡単に真似できる領域ではないと考えています。

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世界中のユーザー情報でインバウンドビジネスにも貢献

MZ:2020年のオリンピックに向けて、インバウンドビジネスが活況を呈しています。

マコード:インバウンドビジネスにおいても、Criteoは貢献できます。当社はグローバル展開しているので、海外ユーザーの行動データを保有している。つまり、海外ユーザーが日本に来た際、彼らの行動データをもとに日本企業のマーケティングを促進できるわけです。

 オリンピックに向けて、ユーザーが何に興味を持ち始めているのかという、インサイトの変化を捉えたデータも保有しています。そこから得たインサイトをCriteoのクライアントに提供し、オリンピック需要をチャンスに変えられるよう協力していきたいですね。

MZ:最後に、日本国内のミッドマーケットに対してどうアプローチしていくのか教えてください。

マコード:現在、日本国内のクライアントには非常にご満足いただいています。1千を超えるミッドマーケットクライアントとお取引があり、その継続率は非常に高い状況です。

 今後、より日本の広告主や代理店の声をどんどんR&Dに還元していきます。クライアントの声に耳を傾け、Criteoに何を期待されているのかを理解したうえで製品を改善し、一層貢献できればと思います。

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