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リクルート、電通デジタル、Facebookが語る 広告効果計測はインクリメンタリティの時代へ

プラットフォームをハックする

中村:しかし、「単独のプラットフォームでリフト計測することに意味があるのか?」という疑問も少なくはないと実感しています。お2人は、どのように考えていますか?

杉浦:以前は、第3者配信を用いて統合的に計測したいというニーズはありました。しかし、プラットフォームごとにエコシステムがあり、その中での進化やアルゴリズム、癖があります。これらを分析しすべて足したら、共通の指標が見えるかというと、そうではありません。横並びで可視化し、場合によっては重複の計数を加味しながら、人が解釈をいれて意志決定していくことが、向こう数年間の現実的なトレンドだろうと考えます。

金井:個人的には、各プラットフォームを横断してつなぐデータがない以上、その解けない問題を今解くことはやめようと考えます。現在取り組んでいることは、そのプラットフォーム内の生態系やメカニズムを理解し、カスタマーの行動理解を行い、ハックしていくこと。広告主側が、その媒体の力を引きだすマーケティングをして、最適な手法を判断することが正しいのではないかと感じます。

杉浦:合わせてエージェンシーは、多くのお客様のご支援をする分、同業種・他業種とデータが集まりやすいことが強みであり、ノウハウも蓄積されます。リフト計測が可能なプラットフォームすべてでの計測を目標としていますが、そこで重要なのはスピードをどこまで上げられるかということ。たとえばフェイスブックは、コンバージョンリフトAPIをリリースしています。「Facebookの広告を見て、コンビニでの購買リフトが上がったか」という細かい計測まで、クイックに実行できるようになっています。

媒体・広告会社・広告主の三位一体で健全なデジタル広告市場を

中村:では最後に、デジタルマーケティング全般のアドバイスをお願いします。

金井:デジタルマーケティングに関わる人にとって、アトリビューションやインクリメンタリティ計測はある意味で悲願だと思います。テクノロジーが追いつき、計測手法が整い、より精度の高いPDCAが回せるようになってきたと感じています。だからこそ、媒体・広告会社・広告主が三位一体となった進化が必要です。一緒にPDCAを回す体制が作れれば、点から線のマーケティングが実現し、既存施策の自動化・効率化によって新たなマーケティング施策への再投資とチャレンジが可能になると思います。

杉浦:実は、インクリメンタリティ計測の考えは、第3者配信がスタートした時期からあります。広告バナーとダミーバナーを配信し、その差をログから分析するという手法が、テクノロジーの進化でやりやすくなったということです。デジタルをよりメジャーな媒体にするためにも、原点回帰し本質的な効果の部分へ目を向けなければなりません。これらを、アドフラウドなどデジタル広告が抱える問題の解決にもつなげたいと考えています。

 そして、すべてをシングルソースでまとめて見る世界ではありません。ノウハウをプラットフォームごとに蓄積し、その中で意志決定の材料を積み上げることを、実直に行っていくことが大切です。この積み重ねが日々の意志決定の精度にも影響し、マーケティング全体のパフォーマンスの差に表れると思います。このようなビジョンを共有できるお客様をご支援し、一緒に取り組んでいきたいと切に思っています。

中村:本日のセッションをまとめます。ビジネス成長の上で再考したいのは、アッパー・ミドルファネルの重要性と、動画活用、そして因果関係で広告効果を見ていくこと。そして、リフトを参考にPDCAを回し、媒体・広告会社・広告主の三位一体で取り組むことが大事であるというお話でした。金井さん、杉浦さん、ありがとうございました。

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『動画広告の効果を正しく評価することで、新規顧客獲得の機会を創出』(Facebook Business)

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2020/10/12 13:28 https://markezine.jp/article/detail/31208

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