SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

定期誌『MarkeZine』特集

食シーンを拡大してブランドを強固に 森永製菓「inゼリー」の戦略とは

ブランドに残すべき価値を大切に育てる

――長く続くブランドを育てていく上で、何が大切な要素だと思われますか。

 「inゼリー」の発売当初は、前衛的で斬新なものと感じてもらっていたと思うのですが、25年も経てばそのイメージが古くなっていってもおかしくありません。良いブランドイメージや新しさを維持するためには、結局のところ若い世代の人たちに触れてもらわないと難しい。この層にアプローチしていくことが1つ大きなポイントだと思っています。

 もう1つは、ブランド構成要素の中にある“変えてはいけない部分”と“変化に対応して変える部分”の見極めだと思います。マーケティングは基本変化に対応することだと思うのですが、変えてはいけない部分は変えずに、お客様の変化や動向に応じては変えることもいとわない。この2点がロングセラーブランドを育てていく上で重要なことだと考えます。

――「inゼリー」がブランドとして変えてはいけない部分、変化に対応して変える部分はなんだと思いますか。

 先ほど述べたブランドの特徴となっている、パッケージの色や形、「in」の文字、いつでもどこでも短時間で飲めるということは、変えてはいけない部分だと考えています。

 そう話すのには、自分たちの過去の反省から得た学びがあります。売上が横ばいの状態が続いていた中で2014年にパッケージ、ブランドコンセプトを変更しました。「エネルギー」「マルチビタミン」などそれまでの栄養素別の商品展開から、「カロリーハーフ」「カロリーゼロ」とカロリー別の商品展開にしてデザインも変更したところ、お客様離れが起き売上も下がってしまいました。

 そのときに変えてはいけない部分を変えてしまったのだなと、見極めの重要性を痛感しました。また、もし判断を間違ってしまったとしても、早急に軌道修正することが重要だと思います。

――最後に、今後のブランドの展望について教えてください。

 基本的には現在行っていることの継続が大事と考えています。とはいえ、世の中では働く女性が増えるなどしたことで食の簡便化や健康維持に対するニーズも高まっていて、こうした要望はさらに強くなっていくと予想しています。

 我々としては、現在の方向性を維持しつつも、新たなニーズを満たせるようにしていきたいと考えています。また、その他にもニーズが出てくれば対応すべきか検討し、常に変化に対応できるブランドとして今後も伸ばしていきたいと思っています。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
定期誌『MarkeZine』特集連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2019/06/25 13:30 https://markezine.jp/article/detail/31341

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング