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白メガネ野崎が突撃!次世代のトップランナーに聞く新時代のキャリア形成

自分でデータを扱えるマーケターは強い ZOZOテクノロジーズ・中野氏のキャリア論


感情を理解したいから、データにのめり込んだ

野崎:約10年間、広告・マーケティングのデータに関する領域に様々な立場で携わっていらっしゃいますが、変わったと感じること、変わっていないと感じることを教えてください。

中野:私の仕事内容はずっと本質の変化はありません。どの瞬間を切り取っても目の前に課題があり、限られたデータ範囲の中で解決策を描く流れは同じです。

 変化した点は、収集・加工できるデータ粒度の部分ではないでしょうか。Google Analyticsのようにテンプレートに当てはめ集計されたデータから仮説を抽出する作業から、大元のデータは同じでも生ログを利用して一挙手一投足までありありとわかる状況から事実を発見する作業に変わってきています。利用しているスキルも管理画面の操作からSQLを利用することに変化しました。

野崎:事業会社のマーケターへの転身は、パートナーサイドのマーケターのキャリア相談で最も多い事項です。ただ敷居も高く、中野さんのように開発側への興味があり、自分でもSQLを触れる、データやテクノロジーに強いマーケターなど、圧倒的な強みや成功体験を持っていないと、なかなか体験できないポジションでもあります。

 事業会社への転身を果たしているわけですが、中野さんはこのような現状を予測してキャリアを築いてきたのでしょうか。

中野:予測したキャリアではなく、データを扱うなら正しくデータが発生した背景を理解し、人の感情や行動の心理を追求してみたいという探究心の結果かもしれません。目の前にあるテクノロジーを利用してコミュニケーション施策の将来の可能性を追い求めた結果が現在につながっていると思います。これまでに関わってきた同業界の多数の知人に大きな影響を受けています。

テクノロジーが進化した今こそ、仕組みの理解に努めてほしい

野崎:現在の若手マーケターは、10年前と比較してテクノロジーが進化したため、ツールやデータがそろっている状態からマーケティングをスタートできるので、見えないデータを妄想してコミュニケーションしなくてもある程度のレベルでデータが扱えてしまう。その点についてどう思いますか?

中野:たとえば、普段利用しているツールがどのような定義やルールでデータが集められUI上に表現されているかがわかると、感覚とのズレや事実との誤差を発見できる上に、他サービスとの比較も丁寧に行えると思います。またデータ分析や広告業務を行うにしても拡張性のある利用ができるようになるのではないでしょうか。

野崎:データの背景を抑えておくということが大事ということですね。最後になりますが、この先、マーケターとしての市場価値を上げるためには、どのようなスキル、思考が必要だと思いますか。

中野:直近で体験したことから学んだことでは、粒度細かく集められた行動ログなどから、課題を発見し事実を抽出するためのスキルは必要だと強く感じています。私自身、管理画面の世界で扱えるデータの分析から、SQLを使った生ログに近いデータ分析をするようになって、視野が大きく広がりました。

 また自分でいろいろデータを眺めて仮説を立て、消費者理解を行うスキルというのは、今も昔も変わらないのではないでしょうか。

 トレジャーデータ時代にシリコンバレーのチームと短期間ですが一緒に現地で働いたことがあります。マーケティングチームのメンバーの多くがSQLやその他の技術を駆使してデータを扱いながら、マーケティングやWeb制作の業務を行っている姿に衝撃を覚えました。マーケターはSQLを触れて当たり前という環境が、そのうち日本にも来るかもしれないと実感した瞬間でした。

野崎:データを直接触れるマーケターはますます貴重になりますね。

中野:マーケティング職からスタートし、エンジニアとの関わりを少しずつですが持ちながらデータ分析業務やマーケティング施策を一緒に積み上げていくキャリアは苦労も多くあり悩み続けることも多々ありますが、得られる視点はワクワクの連続です。これまでに関わったエンジニアの方々や、今でも親切に教えてくれるデータチームのメンバーに感謝をしています。

野崎:マーケティングスキルのみではなく、エンジニア寄りのスキルを身につけることで、パートナーサイドから事業会社へのキャリア転換を成し得たリアルな事例が聞けました。中野さん、ありがとうございました。

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この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/07/30 12:58 https://markezine.jp/article/detail/31482

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