シナリオの理解が効果検証への第一歩
MAツールを導入し、1年が経ちました。そろそろ導入効果を社内で説明しなければいけないのですが、検証が進んでいません。

設定したシナリオの目的やゴールを正しく理解していますか? 仮説を基にシナリオを設定できていれば、その仮説に対して効果が出ているかどうか検証できますし、数値を見ながら改善していくことができます。
弊社にたびたび持ち込まれる相談に「サイトリニューアルにあわせてMAツールを導入し、パートナー企業(代理店)にシナリオを作成してもらった。資料をダウンロードした人などに自動的にメールが配信されるようになったが、効果があるのかがわからないので見直したい」というものがあります。実はこれも、今回のお悩みと根は同じです。
パートナー企業にシナリオ設定を完全に任せてしまうと、「シナリオの目的を理解していない」「シナリオの数が多すぎる」「シナリオが複雑すぎる」という事態が起こり、効果検証が困難になることがあります。そもそもシナリオの設計書がない場合もあり、そうすると設計時の意図を理解することもできません。
そうならないためにも、シナリオを定義するときはトリガーと期待するアクションを図式化して整理することをお勧めします。たとえば、A(トリガー)が起こったら、Bのアクションをとる、というような予測フローを作るのです。それをドキュメント化しておけば、想定通りのアクションが得られているのか、効果が上がっているのかを評価しやすくなります。
シナリオの設定は、パートナー企業に任せきりにせず、一緒に手を動かしながら理解していくことが重要です。そうすれば、効果検証が可能になるだけでなく、効果が出ていない場合に自分たちで設定を変更できます。
本連載で繰り返しお伝えしてきましたが、MAツールは導入するだけで効果が出るものではありません。仮説を立ててシナリオを実行し、計測、改善を繰り返すことで、効果が現れます。まずは自分たちで一連の流れを理解し、実施するところから始めてみてください。