※本記事は、2019年8月25日刊行の定期誌『MarkeZine』44号に掲載したものです。
音声広告、誰がどこで聴いている?
最初に、音声広告接触者層と一般層の性年代の構成比や、普段利用している情報媒体の特徴を見ていく。
音声広告接触者層は、一般層よりも全体的に男性比率が高い。そして10代は男女ともそれぞれ1.4〜1.5倍ほど高いことから、他の年代に比べて音声広告に接触する機会が多いことがわかる(図表1)。
情報媒体の利用頻度は、一般層よりも音声広告接触者層のほうが「音声メディア」の利用率が当然ながら高く、特に“ラジオアプリ”の利用率は79%に上った。さらに音声広告接触者層は、ラジオアプリだけでなく“放送波のラジオ”の利用率も一般層に比べて18ポイント高いことから、ネット上の音声メディアだけでなく、生活の中で様々な音声メディアを聴く習慣が身についている様子だ。また、「動画メディア」については、“テレビ”が音声広告接触者層と一般層とでほぼ一致した。このように音声広告接触者は、音声・音楽メディアや動画メディアといった様々な情報媒体を利用していることがわかる(図省略)。
音声メディアはどこで聴かれているのだろうか。いずれの音声メディアも、「自宅」が多く、“ラジオ”は放送波の場合「自動車」で聴く人が多いが、“アプリ”ではそうではない。ラジオアプリと音楽配信サービスの視聴場所の傾向は似ているが、音楽配信サービスのユーザーは「電車・バス」「歩行中・運動中」も多く、自宅内外を問わず、常に音楽を聴く習慣が身についていると考えられる(図表2)。
自宅での視聴に注目してみよう。各メディアは“ながら視聴”されているのか、それとも“視聴に専念”されているのか。動画メディアのうちテレビは「食事をしながら(75%)」、「家族と会話をしながら(57%)」が高く、お茶の間でのコミュニケーションツールとなっているようだ。一方、動画配信・共有サービスは「食事をしながら」や「家族との会話をしながら」が低く、「視聴に専念している」が21%と、他のメディアに比べて高い。テレビはマス向けに作られたコンテンツを受動的に視聴するのに対して、動画配信・共有サービスは視聴者自ら能動的にコンテンツにアクセスして視聴するという、視聴に対する態度の違いが影響しているものと思われる。
音声メディアは、いずれも様々なことをしながら聴いている人が多く、コンテンツの視聴だけに専念している人が少ない。ラジオや音楽の視聴は、動画メディアとは違って視線を向ける必要がない(アプリの画面を見るなどの行為は除く)ので、“ながら視聴”がごく普通に行われている(図表3)。
▼調査レポート
『音声広告に関する調査。「煩わしさ」を感じる割合は動画広告よりも低い』(HoNote)