BtoBマーケティングには、形式知化できる領域が存在する――。その考えに基づき、BtoBマーケティング支援の才流、Web制作会社のベイジ、Webサイト分析・改善提案ツール「AIアナリスト」を提供するWACULの3社は、BtoBサイト改善の勝ちパターンをまとめた「チェックリスト/ワイヤーフレーム」を公開した。本記事では、3社が社内で培ったノウハウを無料で公開するに至った理由、サイト改善を高速で進めると見えてくる組織やビジネスの課題、そしてマーケターがリソースを割くべきBtoBマーケティングの本質はどこにあるのかを聞いた。
「車輪の再発明をなくしたい」社内向けのノウハウを公開
「BtoBサイトチェックリスト/ワイヤーフレーム」について
BtoBマーケティング支援の才流、Web制作会社のベイジ、Webサイト分析ツールを提供するWACULの3社は、様々なBtoB企業のサイト制作・改善で蓄積したノウハウをまとめた「BtoBサイトチェックリスト/ワイヤーフレーム」を公開(関連リンクを参照)。グローバルナビゲーション、CTA、ホームといったサイトの各要素について、見本となるフレームとチェック項目を紹介している。
(中央)株式会社ベイジ 代表/ナイル株式会社 UX戦略顧問 枌谷力氏
(右)株式会社WACUL 取締役CIO 垣内勇威氏
――まずは、3社合同で「BtoBサイトチェックリスト/ワイヤーフレーム(以下、リスト)」を公開した経緯について教えてください。
枌谷:前提として、BtoBビジネスにおいて自社サイトを充実させることは非常に重要です。BtoBは情報入手のためのチャネルが少なく、特に検討の初期段階では、企業のサイトしか情報源がないことも少なくありません。
栗原:展示会やDMなど、他の方法で接触した人も、一度はサイトを訪問するため、整えておかないと機会損失が大きい。しかし一定の型はあるので、手を付ければ結果は必ずついてきます。
――BtoBのサイトには一定の型がある?
栗原:はい。今回リストを作成した根底にも、BtoBのサイト改善には成果を出すための「型」が存在するという考え方があります。私は10年近くBtoBマーケティングに携わってきましたが、勝ちパターンがあると確信しています。
しかしこうした知見はなかなか共有されることがなく、あちこちで同じような実験と検証が続けられている。とても非効率だと感じていました。そのため才流とベイジが社内用に作成していたワイヤーフレームやチェックリストを再構成し、WACULが有するデータを基に内容を精査し、公開に至りました。
垣内:サイト制作に限らず、デジタルマーケティングには「車輪の再発明」が本当に多い。バズワードや怪しい話にだまされてしまう初心者も多く、そういうものは根こそぎなくしたいと考えています。
デジタルの本質はコストカットにあるはずなので、無駄なことにお金や時間を使わずとも「80点までは誰でも最速でとれる」状況を作っていきたい。その上で、より本質的な仕事に時間を割いてほしいのです。
枌谷:Web制作会社やデザイナーの「クリエイティブ」に対する認識も、ビジネスの現場の実状とズレているように思います。誰も思いつかなかったようなものをゼロから作るのがクリエイティブで、なんらかの「型」に従うのはクリエイティブではない、という感覚を持ったデザイナーも多いのではないかと。
ビジネスにおけるクリエイティブの本質は、問題解決に向けた創意工夫の結果であり、打ち手の目新しさではないはず。問題を解決できるなら、今まで誰も考え付かなかった表現である必要はないのです。それなのに、成果の出る「型」を知らなければ、本質的にはまったくクリエイティブではないことをクリエイティブだと錯覚し、発注企業もWeb制作会社もそこに時間とお金を使ってしまう。
栗原:たまにマーケターから「制作会社と馬が合わず、1年近くサイトリニューアルプロジェクトが続いている」という話を聞くことがあります。こうした無駄をなくすために、業界のベースとなるものを作りたいというのも、今回の意図のひとつです。
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蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)
東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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