課題解決に必要だった営業との連携とは
先述の組織における課題を解決すべく、さくらインターネットでは組織ごとのミッションを理解するように務め、マーケティング部としてのミッションも各組織の決定権者に伝えるようにした。具体的には営業部から協力者を探し、マーケティング部が考える取り組みの意義や、短期/中長期で効率化できることを理解してもらい、営業部で共有してもらった。
また、フィードバックの重要性についても伝えた。石井氏は、「最初の失敗の原因はミスコミュニケーションにもありました。だからこそ、見込み顧客(MQL)の品質や定義などについては、都度フィードバックをもらい、組織間で協力して改善を繰り返しました」と説明する。
石井氏は、「デジタルのツールの利用用途をマーケの成果指標だけに利用せずに、組織としてツールを利用すること」が重要だと説く。さくらインターネットでは、リード獲得から受注までのプロセス管理を実現すべく、「組織的な営業ができる状態」にし、それを利用するようにしたという。
「ツール自体は、営業が利用しなくても、ツールの恩恵を受けていることで(営業の)仕事が効率化されている効果があります。営業にもMAの導入で成果が出ているということを理解してもらうことが大切です」(石井氏)
最後に石井氏は、「デジタルマーケティングの利点はすべてがデータとして測定できることですが、我々はデジタルでは完結しないオフラインの部分にも注力しています。そこでは、事前の取り決めや組織連携が不可欠であり、社内調整が重要です」と訴えた。