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V字回復を実現 マーケティングに活路を見出した丸亀製麺の体制改革

 讃岐うどん専門店「丸亀製麺」が、V字回復を遂げている。国内800店舗以上に急成長しながら客足が停滞していた状況を、社内のマーケティング体制の改革と、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン復活の立役者として知られる森岡毅氏が率いる刀(かたな)との協業によって、1年あまりで打破した格好だ。コアファン向けのプロモーションを改め、「ここのうどんは、生きている。」とのコピーで客層の裾野を拡大。同ブランドを擁するトリドールホールディングスの創業社長である粟田貴也氏に、直近1年の戦略と奔走を聞いた。

※本記事は、2019年10月25日刊行の定期誌『MarkeZine』46号に掲載したものです。

ビジュアル、香り、ライブ感 五感を刺激する体験で急成長

株式会社トリドールホールディングス 代表取締役社長 兼CEO 粟田貴也(あわた・たかや)氏
1961年10月神戸市生まれ。兵庫県立加古川東高等学校卒業。神戸市外国語大学中退。学生時代のアルバイト経験を通じて飲食業の魅力に目覚める。1985年、焼鳥居酒屋「トリドール三番館」を創業。1990年トリドールコーポレーション設立。近年はセルフ式讃岐うどん専門店「丸亀製麺」を中心に店舗を展開し、2011年4月には丸亀製麺の海外1号店をハワイ・ワイキキに出店する。積極的に海外市場への進出を進め、国際的競争力を持つ企業の育成を目指している。2008年東証一部上場、2016年トリドールホールディングスへ商号変更。現在、国内外において約1,700店舗以上を展開。

――御社は1985年、粟田さんが20代半ばで焼鳥居酒屋を創業したことを皮切りに、以後多数のブランド展開とグローバル進出を勢いよく進められています。まず、現在のビジネスの概況をうかがえますか?

 現在は国内外を合わせて約20のブランド、1,700以上の店舗を展開しています。主力ブランドである讃岐うどん専門店「丸亀製麺」は、父の故郷である香川県を訪れたときの体験をきっかけに、2000年に立ち上げました。今、全国に800店舗以上、海外にも200店舗以上を構えています。

――うどんやラーメン、焼鳥、カフェまで非常に幅広い業態を運営されていますが、その中で変わらないトリドールブランドの軸は、何でしょうか?

 どのブランドでも大切にしているのは、五感に訴えることです。飲食なので当然おいしさは重要ですが、単なる食べ物の提供だけでなく、ビジュアルや香り、店内で聞こえる音など、五感に訴える体験の提供が大事だと思っています。いまどきの言葉で言うと、モノ消費ではなく“コト消費”ですね。

 丸亀製麺だと、先ほど香川県での体験と言いましたが、お客さんの行列に私も並んで小さな製麺所でできたての麺を食べたときは、衝撃を受けました。それが原点にあるので、ここまで大きなチェーン展開になっても、いまだに我々は丸亀製麺すべての店舗に製麺機を置き、軟水器も導入して店内で麺を手作りしています。出汁も作りおきができないので、1日に何度もとっています。そして、お客様の目の前でできたてを提供するそのライブ感も、“おいしい体験”の重要な要素です。

 ただ、前年同月比でプラス基調だった丸亀製麺の来店客数が、2018年から停滞してきました。そこで感じた危機感が、社内のマーケティング機能の立て直しと、6月に発表した刀さんとの協業につながっています。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/10/25 13:00 https://markezine.jp/article/detail/32223

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