※本記事は、2019年10月25日刊行の定期誌『MarkeZine』46号に掲載したものです。
効率的なCM出稿枠とは
広告主がスポットCMを出稿する際、出稿に必要な費用はGRPという指標から算出されることが一般的である。GRPとは出稿枠の世帯視聴率を積み上げたものであり、たとえば19時から22時のゴールデン帯など比較的視聴率の高い枠に多く出稿するほどGRPは高くなり、結果として出稿費用も高くなる。一般的に出稿GRPを増やせばそれだけCMのリーチやフリークエンシーも高くなっていくことが見込まれる。
CMを出稿する広告主側からすると、なるべく多くの人に自社CMを露出できることは理想的であるが、効率性という観点からみると必ずしも視聴率が高い時間帯ばかりに出稿すればいいというものではない。たとえ視聴率が低いCM枠でも自社のターゲット層が多く含まれる枠をみつけることができれば、同じ出稿GRPでもより多くのターゲットにCMをリーチさせることができる。
この言わば「穴場枠」というのは扱う商材によって当然異なるため、広告主ごとに最適な枠も異なる。本稿では実データを用いて様々なターゲット層におけるテレビ視聴傾向と効率的なCM出稿枠選定について考察する。