同じ人でも見ているメディアによって人格が異なる
MZ:各メディアに合わせたクリエイティブ設計をする上で、何が必要になりますか。
オノダ:そこにいる人と彼らのインサイトを知ることです。今までペルソナを作成するとき、具体的な人物像を作ってきたと思います。しかし実際には、同じ人がInstagramとTwitterではまったく別の人格になるなど、見ているメディアで異なる人格を持っています。
実際にあるプロジェクトでは、TwitterとInstagramに同じ画像やテキストを投稿したところTwitterだとめちゃくちゃ叩かれたのに、Instagramではすごくほめられたという経験があります。おそらく、見ているのもほぼ一緒の属性の人たちだと思うのですが、メディアの特性によって適した話法がぜんぜん違ってくるということです。
森井:これまではそのメディアにどういうユーザーがいるかというのは、年齢や年収、職業、未婚か既婚かといった情報から考えられてきました。しかしこれからは、「そのメディアでどういう人格形成がされているのか」というところがすごく重要になってくると思います。
MZ:そうしたインサイトに気づいているマーケターは少ないのですか。
オノダ:そのことに多くのマーケターも気づいているのですが、どうしたらいいかわからないというのが現状だと思います。コミュニティごとに話法を変えて広告クリエイティブを作るのは難しいんです。というのも、話法を変えて各コミュニティに迎合することと、一貫性を持ってブランドを維持することが相反しているので、そのバランスを取る難易度が非常に高いからです。
佐々木:MEDIATORは、CCIが持つ大量のデータの知見とQuark tokyoが持つクリエイティブのノウハウを活かして、インサイトとデータの両面から、各メディアに合わせたクリエイティブ設計を実現していきます。
注力メディアを選出し、徹底的に攻略し尽くす
MZ:MEDIATORではどのメディアに対応しているのでしょうか。
オノダ:半期に1度、注力メディア5つを選出し、基本的にそのメディアしか売らないというスタンスにしています。2019年下半期は、YouTube、Instagram、Twitter、TikTok、AbemaTVが注力メディアです。
広告主あるあるの「YouTubeのマストヘッドとTwitterのプロモトレンドのどちらに出稿するかで悩む」も、どちらに出すのが正解かプロジェクトの目的と期待する効果を頂ければ即答できます。その他にも、目的やタイミング、ターゲットに合わせて選択すべきメディア、用意すべきクリエイティブの答えがすぐ出せるよう、日々試行錯誤をしています。最適なメディアプランニングに加えて、各メディアに合ったクリエイティブが用意できるのは、我々ならではの強みだと思っています。
MZ:メディアの特性に合わせて用意すべきクリエイティブの一例をご紹介いただけますか。
加藤:たとえばTikTokは、若年層向けで、ダンスをやっている女子高生が多いというイメージを持たれていると思います。しかし、最近ではユーザー層も拡大してきており年齢層も広がってきました。また、インカメラで自撮りをするのが主流だったところから、アウトカメラによる撮影も行われるようになってきました。コンテンツもダンスだけでなく、風景や料理に関するものも増えつつあります。
佐々木:今までTikTokを使ってマーケティングをする際には、曲を用意して振り付けをつけて踊らせるのが定番になっていましたが、ユーザー層が変化したことによって、他にも使い道がいっぱい出てきます。僕らは、その中でどうやっていくかということを目的に応じた様々な角度から提案していきます。