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好調なときこそ挑戦のタイミング デジタル変革へ突き進むソフトバンク

 デジタルを力に、ソフトバンクの法人事業が大きく変革しようとしている。強みとしてきた大企業相手の対面営業に加え、中堅中小にもリーチすべく、Arm Treasure Dataをデータ基盤にAdobeとMarketoを駆使して営業担当者が介在しないデジタルセールスにも力を入れていく。同時に、インサイドセールスにベテランの元営業パーソンを配置するなど、人的資産の活用も興味深い。「好調なときにこそ新しい手を打たなければ」と熱く語る、法人事業を率いる藤長国浩氏に、データドリブンなBtoBマーケティングと営業の連携の現在を聞いた。

※本記事は、2019年11月25日刊行の定期誌『MarkeZine』47号に掲載したものです。

法人事業とBtoBマーケティングのデジタル化に本腰

ソフトバンク株式会社 常務執行役員 兼 法人プロダクト&事業戦略本部本部長 藤長国浩(ふじなが・くにひろ)氏
2000年ソフトバンクネットワークス(現・ソフトバンク)に入社し、流通業界・通信業界を中心に大手企業への法人営業に従事。2016年に法人事業戦略の責任者に就任。2018年6月より事業戦略およびマーケティング担当の常務執行役員として、法人部門の事業計画や新規事業の戦略、マーケティング全般を担う。

――ソフトバンクの法人事業を率いる藤長さんは、もともと営業のご出身だそうですね。

 ええ、2000年に当社に入って以降、16年間法人営業を務めてきました。事業戦略に異動したのは3年半前です。私自身は今でも営業が大好きで、営業するために生まれてきたような人間です(笑)。

――快活な印象から、凄腕の営業パーソンでいらっしゃった様子がイメージできます。藤長さんは今年7月に「Adobe Symposium 2019」のキーノートに登壇され、自身のコミットメントとして「法人事業とBtoBマーケティングを高度にデジタル化する」と表明されていました。御社は営業が強い会社と認識していましたが、その営業をデジタル化する意向の背景をうかがえますか?

 おっしゃるとおり、当社は営業力には自負がありますが、営業を離れて外側から改めて見てみると、旧・日本テレコムの流れを汲んでいるので大企業との接点がほとんどでした。売上高1,000億円以上の企業、上場・未上場合わせて約1,700社のうち、95%には何かしらの商材を使っていただいている一方で、日本に400万社もあるといわれる中小零細企業には、ほとんどリーチできていなかったんです。

 自分自身は、ひとつ商材を取り入れてもらったら次のニーズ、その次のニーズと深掘りして関係性を築いていく営業が特に楽しかったので、数字としてあまり全体像を捉えられていなかった。その400万社もの企業にリーチすることを考えると、従来の対・大企業のスタイルではまったく追いつかないので、デジタル上の行動データを営業に活用できないか、と考え始めました。

 漠としていたその考えを具現化してくれたのが、Adobeでした。Adobe自身のデジタルトランスフォーメーションについて知る機会があり、サンノゼの本社も訪ねてその発展に触れて、デジタルベースのタッチポイントの創出と関係構築を我々もどうにか取り入れたいと思ったんです。

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対面営業が強いがゆえに極めてアナログだった

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

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MarkeZine(マーケジン)
2019/11/25 17:17 https://markezine.jp/article/detail/32344

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