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トヨタRAV4は若年層になぜ売れた?デジタル広告で「認知」「商品理解」を狙うクリエイティブの真髄

トヨタ自動車内で1位、2位を争う“平均年齢が低い車”に

 改めて、ミッドサイズSUVとしてのRAV4を印象付け、若年層を含む購入意向潜在層へのリーチも狙ったプロモーションの成果はどうだったのだろうか? 事後のブランドリフト調査などを通して、「2つの広告に触れた人には、触れていない人に比べてブランド理解が深まったことが確かめられました」と鈴木氏は語る。

 inRead®3D Cubeに関しては、触って次々と異なる魅力が現れることに気づいてもらえるかが懸念だったというが、調査から多くの人が仕掛けを楽しんだ様子がうかがえた。「元々チャレンジングな狙いだった『アウトドアは楽しむものの、車の購入検討度合いが低い方が多く含まれるであろう潜在層や若年層』についても、購入意向顕在層に比べてそこまで遜色なく高いブランドリフトが得られました。間口を広げることの結果がどう出るかと思っていましたが、トライした甲斐がありました」と花本氏。

 実際の販売台数にはマス広告や体験会などの効果も含まれるものの、元々チャレンジングなターゲット設定だった20~30代の購入者が多かったことには、トヨタ自動車として大きな手応えがあったようだ。今、同社の車種の中でも1位、2位を争うほど、購入の平均年齢が若い車になっている。

 「自信を持ってアピールはしたものの、決して安価な買い物ではないので、こんなにも20~30代に受け入れられ、初めて買う車として選んでいただける方が多かったのはうれしい限りです。もちろん、最終的にはデジタル広告を経由してどれだけコンバージョンしたかも指標として追わなければいけませんが、事前に考えていた『商品理解や認知にまでデジタル広告を機能させたい』という点には、今回の広告で潜在層を振り向かせることができたのではと思っています」(鈴木氏)。

商品理解や認知の獲得を左右するのはクリエイティブ

 中盤で世安氏から「広告だと思われると素通りされがち」という実感が語られたが、ユーザーがその媒体を訪れる目当ては記事内容であるだけに、広告がどれだけアトラクティブであっても時間やアテンションを大幅に割いてもらうことは難しい。クライアントが伝えたいことと、ユーザーへの提案性や受容度合い、タイミングなどのバランスをとることが常に求められる。

 須崎氏は日々様々なフォーマットの広告に触れている経験から、「静止画は表現や情報が制限されますが、一方、動画広告でクオリティの高い映像をただ流せばよいかというと、映像は脳が解釈するのに時間がかかるため、時間的な制約がかかります。その点、Teadsの広告は両方を補完しあうインタラクティブなフォーマットによって“心地よい違和感”をもたらすことができる。それが他の広告にない特長だと思います」と語る。

 出版社や広告代理店でマス広告を扱うキャリアを経てTeadsの広告に携わる世安氏は、デジタルでは結果が数値で可視化できるだけに、どうしても数値にフォーカスしがちだと指摘する。「それはデジタルの魅力ではありますが、やはり広告は人の心を動かしてこそ機能するものなので、クリエイティブの質やバランス感、さじ加減ひとつで成果が大きく変わるものだと実感します」。今後もTeadsでは新しいフォーマットの開発とトライアルに積極的に取り組むという。

 購入意向顕在層に主に使われてきたデジタル広告。今回の施策は、クリエイティブ次第でその位置づけを捉え直し、潜在層への訴求にも十分機能させられるとわかった好例と言えるだろう。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/12/02 12:00 https://markezine.jp/article/detail/32361

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