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BtoC企業におけるコンテンツマーケティングの極意

「ネスレアミューズ」に学ぶ、継続的に成長するオウンドメディア運営の秘訣


 企業と顧客のエンゲージメント構築を目的としたコンテンツマーケティング。一時期、オウンドメディアの開設ラッシュがあったものの、昨今では閉鎖する企業も出てきた。特にBtoC企業のオウンドメディアは、ビジネス成果への直接的な貢献を示しづらく、厳しい状況にある。そんな中、ネスレ日本が運営する「ネスレアミューズ」は、2020年で10周年を迎える。コラムからショートフィルムまで、多彩なコンテンツを通じて、顧客との関係性を長年構築してきた取り組みについて、同社の出牛誠氏に聞いた。

ネスレ日本のオウンドメディア、成長の軌跡

――2010年に立ち上がったネスレ日本のオウンドメディア「ネスレアミューズ」は、来年で10周年を迎えます。長年運営する中で、どんな成長を遂げてきたのでしょうか。

出牛:私は2012年から7年ほど、「ネスレアミューズ」におけるデジタルコミュニケーションに携わっています。長年運営していますが、コンテンツを起点に顧客のブランド理解を深めるという基本的なオウンドメディアとしての役割は変わっていません。

 2010年当時、コミュニケーションの軸をオフラインからデジタルへ舵を切るという、会社としての方針がありました。これまで各部門や施策ごとにバラバラだった会員データを、ネスレ日本として企業全体でのシナジーを最大化するためのプラットフォームとして「ネスレアミューズ」は誕生しました。

ネスレ日本のオウンドメディア「ネスレアミューズ」

出牛:一方で、年々サイトの規模は拡大しています。会員数は600万人を超え、訪問してから離脱するまでのセッション数は昨年1年間で約8,000万となっています。立ち上げ期は、会員規模やセッション数の拡大に注力していましたが、ここ数年は継続的な訪問や頻度といった、質を重視するKPIに重きを置いています

 もちろん数値的な拡大目標は大事ですが、オウンドメディア運営の目的は会員にネスレのファンになっていただくこと。そのためには継続的な接点づくりはかかせません。端的に大きなキャンペーンで数値の拡大を目指すのではなく、地道な取り組みが必要です。

――ネスレの会員の方は、どんな方なのでしょうか? たとえば、ボリュームゾーンの年代など、特徴があったりするのでしょうか。

出牛:年代で捉えようとすると、かなり広くなってしまいます。というのは、一般的な企業のオウンドメディアとは異なり、弊社は「ネスカフェ」「キットカット」から「ピュリナ ペットケア」まで、様々なブランド製品を展開しており、会員の方はそれぞれのきっかけでご登録をいただいています。なので、メインの年齢層としては30代から50代。また開設から10年経っていることもあり、60代の方も徐々に拡大はしています。

ネスレ日本株式会社 マーケティング&コミュニケーション本部
デジタルマーケティング部 部長 出牛誠氏

継続的な関係性構築を促す、コミュニケーション設計

――「ネスレアミューズ」には、各ブランドサイトやキャンペーンサイト、ネスレシアターなどのエンターテインメントコンテンツ、ネスレ通販オンラインショップというECまで、多彩なコンテンツがそろっています。ここにも、会員の訪問頻度を高める秘訣があるのでしょうか?

出牛:そうですね。たとえばネスレシアターのショートフィルムをきっかけにネスレの会員になってもらった方に、バランスレシピを通じて「ネスカフェ」や「マギー」といった他のブランドのことを知ってもらったり。ネスレのファンになっていただくという観点から、コンテンツを通じて様々なブランドのことを広く知ってもらう取り組みは、年々注力しています。

――会員の方、もしくはまだ会員でない方との接点として、最も強力なコンテンツは何でしょうか?

出牛:動画やクイズ、キャンペーンといったエンターテインメントコンテンツは、きっかけづくりとして強い力があります。ただ、その1回の接点で関係が終わらないように、次に続くコミュニケーション設計を考えるのが、私たちのミッションです。

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スマホ時代に適した、動画コンテンツの活用術

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2020/04/28 09:52 https://markezine.jp/article/detail/32385

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