SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

ソーシャルネイティブ、「Z世代の本音」を探る

Z世代=「若者」とひと括りにしていませんか? 4タイプの特性とソーシャル利用を解説


Z世代はソーシャルメディアをどう使う?

 さて、ここからはマーケティング視点で深堀りしていきたい。ソーシャルネイティブであるZ世代の4タイプは、ソーシャルメディアをどう活用しているのだろうか。

 まずはMMD総研の定点調査の結果を見てみよう。SNSの利用状況を年代別で調べた本調査によると、20代はTwitterの利用が最も多く(65.2%が「現在利用している」と回答)、FacebookとInstagramが並ぶ結果となっている(46.1%が「現在利用している」と回答)。この調査ではZ世代の中心となる10代が入っていないが、この数値から単純に「Z世代はTwitterを最も活用しており、InstagramとFacebookは半数弱が利用している」と受け取ると、現実の姿と大きなズレが生じてしまうだろう。学習院大学生におけるソーシャルメディア活用の実態を、SNSごとにサマリーすると次のようになる。

LINEは連絡網として定着、ただしタイムライン利用は限定的

 LINEは「個人とグループの連絡網」として完全に定着しており、使わないと日常生活に支障をきたすレベルまで普及している。ただしLINEのタイムライン利用者はかなり限定され、閲覧している若者も少ない。企業スタンプは重宝されているが、ゲット後即ブロックが半ば習慣化している。一部の先進的な部活やサークルは連絡網としてSlackを使いはじめており、LINEグループの代替品として増加傾向にある。

Instagramはフィード投稿からストーリーズへ

 Instagramは「日常をシェアするSNS」として浸透しており、特に女性の利用率は非常に高い。フィード投稿は記念日、旅行などの特別な思い出や映える写真などに限られ、日常シーンは24時間で消えるストーリーズに投稿することが多い。友人間の会話はお互いのストーリーズを見ることが前提となるため、親しい友人の日常を見逃さないよう、頻度で高くアクセスし、お互いに「いいね」をつけあう。この習慣にインスタ疲れを感じる若者が増えてきたと感じる。また検索でもよく使われるが、 Instagramで発見したあと、Twitterで生の声を、Googleで情報を検索するという二段構えが多いようだ。

Twitterの利用は閲覧が中心/半数が複数アカウントを所持

 Twitterは、交通状況、天気、震災、テレビ番組など「今の瞬間を検索するツール」として浸透しており、Z世代の日常生活に欠かせないツールとなっている。GoogleやECサイトのレビューと比較して、ステマが少なく生の声に触れられるという点も、若者がTwitter検索を好む理由になっている。ただし、自らツイートする若者は一部であり、彼らの多くは閲覧中心に利用している。また、複数アカウントを使い分けるZ世代が半数程度にのぼっており、Twitterの利用者数は実態より割増されている。この点は利用者統計を読み解く上での注意点と言えるだろう。

Facebook=社会人と交流するツール

 Facebookは社会人と普及率が大きく異なるSNSである。学生の認識ではFacebookは「おじさんのSNS」であり、日常使いしている若者はとても少ない。Z世代から見ると、Facebookは「社会人と交流するツール」であり「社会人向けのプロフィール」である。そのため、上昇志向が強く、社会人と接触する機会が高い「人生ガチ勢」の利用が中心である。ただし、就活や就職を機に本格的に使い始めることも多く、若年層が使わないから廃れていくだろうとは言い切れない側面がある

次のページ
4タイプのスクリーンタイムとInstagram投稿

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
ソーシャルネイティブ、「Z世代の本音」を探る連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

斉藤 徹(サイトウ トオル)

株式会社ループス・コミュニケーションズ 代表
学習院大学 特別客員教授/イノベーションチームdot アドバイザー

ソーシャルシフト提唱者として、透明な時代におけるビジネス改革を企業に提言する。2016年から学習院大学特別客員教授に就任。Z世代の学生とともに、革新的な学生組織「イノベーションチームdot」<...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2020/10/04 23:41 https://markezine.jp/article/detail/32511

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング