事業会社のデータ活用を推進すべくSupershipへ
MarkeZine編集部(以下、MZ):マーケターキャリア協会(以下、MCA)(※)とのコラボレーション連載「現在活躍しているマーケターのターニングポイント」。今回は、2020年1月にマーケティング本部長としてSOUに入社された、中村大亮さんのキャリアを振り返っていきたいと思います。
(※)マーケターキャリア協会とは:「マーケターの価値を明らかにする」というビジョンのもと、ビジネスに対するマーケティングの貢献度の調査、マーケターのキャリア構築支援などを行っている一般社団法人(詳細はこちら)。
まず、このタイミングで転職した理由から教えてください。
中村:事業会社でのマーケティングが自分に合致しているということは元々認識してましたし、そのタイミングが“今”と考えたからですね。ライオンからSupershipに転職するときに、マーケティングの支援会社にいるのは3年から5年ぐらいと決めていました。
MZ:ライオンから転職するときから、事業会社に戻ることを見据えていたんですね。しかし、なぜ支援会社で数年間経験を積もうと考えたのでしょうか。
中村:ライオンにいた当時、マーケティングにおけるデータ活用に関して信頼して相談できる支援会社はあまり多くない状況でした。そのため、社内メンバーと手探りでデータ活用を試行錯誤していました。
同様の課題感は当時のライオンに限らず様々な事業会社が抱えていました。そのため、事業会社のデータ活用を支援するちゃんとしたパートナーが必要であると考え、なければ自分でやってみるかと思ったことがきっかけです。事業会社でマーケティングするのは諸々の外部環境が整ってからでも遅くはないと思ってました。
新たなビジネス創出を含めたマーケティング力が向上
MZ: SOUに入られる前はSupership、江端浩人さんが代表を務めるエバーパークと支援会社で経験を積んできた中村さんですが、支援会社の中でどのようなことを学びましたか?
中村:1番はビジネスディベロップメント(事業開発)に関するスキル・マインドですね。過去在籍したメーカーでは、すでに存在するプロダクトでどのようにマーケティング、主にプロモーションを展開するかが主軸でした。
しかし、Supershipのビジネス形態はBtoBで、主力事業であるアドプラットフォーム以外にも新たなビジネスを考える必要があるフェーズでした。そこで求められたのが、ビジネスディベロップメントに関する力だったんです。
モノのサービス化が進む昨今、今後はメーカーのマーケティングでも必要な要素になるとは思いますが、とにかくビジネスディベロップメントを経験できたのは大きな学びでした。
MZ:ビジネスディベロップメントに関する力とは、具体的にはどういったものを指しますか?
中村:たとえば、マネタイズポイントを考える力ですね。メーカーの場合は、モノのサービス化が叫ばれつつも基本、物を売ればマネタイズするビジネスモデルです。昨日は3個しか売れなかった物を4個売るためにはどうするかの4P、特にその中でもプロモーションを考えていました。
一方Supershipでは、新しいビジネスを構想する上で、ターゲットや市場の設定といったマーケティングアプローチは大きく変わりませんが、マネタイズのポイントをどこにおくか、どことアライアンスを組むかといったなかなかこれまでは無かったビジネス設計を経験させてもらったので、非常に貴重な経験だったと思います。
モノのサービス化が進む昨今、今後はメーカーのマーケティングでも必要な要素になるとは思いますが、このあたりはまたの機会に話しましょう。