「ABテストだけでは単調化する」拡張性が決め手に
――「KARTE」を導入した決め手をうかがえますか?
堀田:当初はEC強化という旗を掲げながらも、具体的にオムニチャネル化を描けていたわけではありませんでした。その時点では、商品が閲覧できてカートがあって、というごくシンプルなECサイトだったので、もう少し積極的な働きかけをしたいと考えてツールを探しました。その中で「KARTE」を選んだのは、拡張性があったことが大きいですね。当時主流だった“ABテストをして寄せていく”といった使い方が中心だと、いずれ打ち手が絞られて単調になると思ったので。
――実際、今では顧客データベースとしても活用されているというお話がありました。拡張性や自由度といった部分を含めて、パルさんの「KARTE」の使い方を田中さんはどうご覧になっていますか?
田中:拡張性や自由度の高さは、「KARTE」開発当初から目指してきたことです。大まかには、スキームレスなデータ取り込みと抽出、サイト内外のアクション手段の幅広さ、MAやBIなど多様な外部サービスとの連携、さらにデザインの自由度という4つの観点があるのですが、これらを網羅的に、そして徹底的に使い倒していただいているのがパルさん、という印象です。堀田さんの采配自体がすごく柔軟なので、ツール側もついていかなければ、と。
――なんと、さながら「KARTE」マスターですね。
堀田:(笑)。私は見ている範囲が広いので、基本的に商品開発以外は投資の選択と集中がしやすいんです。ビジネス環境の変化が早い中、スピード感を持って柔軟に打ち手を試して変えていくのは不可欠だと思います。
「変動通知」でメール開封率は通常の2.5倍に 複数の新機能を追加
――実際に、直近でも「KARTE」の新たな機能を相次いで取り入れられているそうですね。いくつかうかがえますか?
田中:昨年12月、お気に入りに入れた商品の価格や在庫の変動をお知らせする「変動通知機能」と商品ページに顧客が過去に購入した商品のサイズを表示する「サイズ補助機能」を実装しました。先ほど堀田さんからお話しいただいたKARTE Datahubを活用したもので、通知はメールやLINE、アプリのプッシュ通知で届きます。いずれも先行してパルさんに導入いただいています。
堀田:アパレルでは12月から1月がセール時期なので、価格の変動は多くのお客様が求められている情報です。そのためいち早く導入しました。他に、予約商品の販売開始や再入荷のお知らせも追加しています。
まだ導入して間もないですが、価格変動の通知は通常のブランドメールよりも開封率が2.5倍以上になっていますね。この機能実装と並行して、お気に入り自体をしやすくするようにサイトをチューニングしています。
――これから実装予定のものなどは?
田中:先ほど堀田さんから店舗スタッフの強みも活かしたOne to Oneを強化していくという話がありましたが、販売員さんと顧客をつなぐ外部サービスの「STAFF START」を活用したコーディネート提案施策を実施予定です。EC購入を起点に、購入翌日に該当商品を使ったコーディネートを紹介します。
次に、これを店舗購入起点でも実現していく予定です。さらに、店舗で接客したスタッフから「昨日はありがとうございました」といったメッセージや購入した商品を使ったコーディネートが届く仕組みも開始します。