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リアル店舗と一体化したオムニチャネル施策を実行 直営サイト売上を4倍にしたパルが目指すCX向上の基盤

スタッフから顧客へOne to Oneのメッセも可能に

――サイズ補助や値下げ通知などは、オンラインで衣服を購入する際にユーザーとして気になる点ですよね。コーディネート提案も、うれしいサービスだと思います。

田中:そのプッシュ通知も、各顧客がこれまでよく開封している曜日や時間帯に届けられるように最適化できるようにしました。会社員や学生などの属性でライフスタイルが異なることも想定されます。一人ひとりに合わせて、その人がよく活動しているタイミングでメッセージを届けることができます。

配信タイミング最適化の概略図。頻繁に特定のアクションをする時間帯をユーザー毎に解析することで、適正化された時間帯にメッセージを届けることが可能になる
配信タイミング最適化の概略図。頻繁に特定のアクションをする時間帯をユーザー毎に解析することで、
適正化された時間帯にメッセージを届けることが可能になる

 また、これは堀田さんとの「どうやったら顧客の体験をより良くできるか・店舗スタッフという”人”の価値を最大化できるか」という議論から開発に至ったのですが、店舗スタッフから直接、特定の顧客にプッシュ通知を送れるようにもする予定です。例えば、店舗独自に実施するキャンペーン情報を過去にご利用された方だけに店舗スタッフの方が自らメッセージを送るなどのイメージですね。

――それは、「先日お話したこんな商品が入りましたよ」といった、本当にOne to Oneのメッセージも可能なんですか?

堀田:そうですね。あまりそちらに偏ってもスタッフの負担になりますし、手ごろな価格のブランドも多いので、基本的に打ち手の多くはオートメーションで回すべきだと考えてはいます。ただ、高価格帯でスタッフにお客様が付いているようなブランドでは、ロイヤル顧客の顧客満足度の向上は重点項目です。以前から紙のDMやオファーという手段はありますが、もっとタイムリーなOne to Oneのコミュニケーションが必要だと思っていました。

 そうした部分をフォローする策として、オンラインでの個別の働きかけには期待していますし、スタッフにも活用を勧めていくつもりです。

デジタル活用を“文化”として浸透させる立体的取り組み

――店舗とオンラインの連携を、そこまで進められているんですね。

堀田:そうですね。昨年末、リアル店舗のPOSデータもすべて「KARTE」へ蓄積するよう整備したので、立体的な取り組みが可能になりました。データのリスク管理と、店舗スタッフも必要な情報を簡単に確認できることを両立するために、「KARTE」からGoogle データポータルにデータを移し、お気に入り数などを見られるようにしています。

田中:さらにこれも堀田さんと相談中ですが、今マシンラーニングにも注力していて、これを需要予測や在庫配分の最適化、そして顧客ロイヤルティ分析にも活用する予定です。

KARTEに蓄積可能なオン・オフのデータとその活用先を示す概略図。前述の変動通知を含む顧客向けの活用に加え、データポータルへのアウトプットにより、ブランド部門の仕入れや企画、在庫配分、プロモーションといった社内向けの活用も期待できる。
KARTEに蓄積可能なオン・オフのデータとその活用先を示す概略図。
前述の変動通知を含む顧客向けの活用に加え、データポータルへのアウトプットにより、
ブランド部門の仕入れや企画、在庫配分、プロモーションといった社内向けの活用も期待できる

――では最後に、今後顧客とどのような関係性を築きたいかうかがえますか? また支援側としては、それをどうサポートしていきたいですか?

堀田:ようやく理想的なオムニチャネル基盤が整ってきたので、個々の顧客をもっと理解し、最適なタイミングで最適なメッセージを届けるその精度を高めていきたいです。加えて、ブランド全体のファンを増やす一方で、能力と魅力ある店舗スタッフそれぞれのファンも増えるように、人と人との長期的な関係構築を目指します。同時に社内には、デジタル活用が当たり前の文化になるよう、浸透させたいですね。

田中:単機能の開発も大事ですが、いずれも「One to Oneのコミュニケーション」と「店舗スタッフと顧客の関係強化」という思想に根差しているものです。今後も、現在パルさんで進められているオムニチャネル全体を支援していきたいと思っています。これからはますます、購買行動全体を捉えた顧客体験の設計が重要になるので、オンライン・オフラインを超えて顧客の気持ちに注目して、引き続き柔軟に進化させていきたいと思います。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2020/03/04 11:23 https://markezine.jp/article/detail/32894

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